研究課題/領域番号 |
20K13371
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
岡田 陽介 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (40598877)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 会社法 / 組織再編 / M&A / 会社分割 / 債権者保護 |
研究開始時の研究の概要 |
会社法の会社分割制度に焦点を当て、吸収分割・新設分割において承継会社・設立会社に承継される債権者を害する会社分割が行われるのは債権者保護制度にどのような問題点があるからか、またその問題点を克服するためにはどのような債権者保護制度を構築すればよいかを探究し、債権者保護制度のあり方を問い直す。その際、わが国と類似した会社分割制度を有する諸外国の制度も必要に応じて参照し、これと比較しつつ考察を試みる。
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研究実績の概要 |
本課題の採択以降、詐害的な会社分割をめぐる裁判例の動きはまったくと言っていいほどなく、研究計画時の想定とは大きく異なる状況となっている。そのため、2023年度も(1)会社分割法制を基礎づける法律上の諸制度の研究と、(2) M&A法制全体からみた会社分割の債権者保護制度についての位置づけを確認する研究を実施した。 第一に、会社分割法制を基礎づける法律上の諸制度の研究として、本研究では上場会社と非公開会社の違いについても分析の重要な視点としていることに鑑み、上場会社法制の研究を実施した。そのなかでも本年度は金融商品取引法上のインサイダー取引規制についての研究、とりわけ近年の法改正や判例の意義と課題に関する検討を中心に行い、解説として公表した。 第二に、一昨年度・昨年度に引き続き、わが国のM&A法制全体からみた会社分割の債権者保護制度についての位置づけを確認する作業を行った。具体的には、M&A法制の中でもとりわけ近年の動きが大きい分野である敵対的買収とその防衛策に関する研究を実施した。まず、昨年度に研究報告を行った三ツ星事件(大阪高決令和4年7月21日資料版商事法務461号153頁)について本年度はその後も研究状況も踏まえて判例評釈を執筆した。これは、2024年度内に公表予定である。続いて、2021年および2022年に相次いで出された5つの裁判例、すなわち日邦産業事件、日本アジアグループ事件、富士興産事件、東京機械製作所事件、そして上述の三ツ星事件における買収防衛策の判断枠組みに関する研究を開始した。この研究については現在も継続中であり、成果については2024年度内の公表を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は新型コロナウイルスによる影響もほぼなくなり、日本国内での文献収集や学会・研究会等の参加のための出張が可能になったため、これまでの遅れを取り戻しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
研究開始当初に予定していた海外での資料収集は、新型コロナウィルスによる影響はほぼなくなったものの、円安の影響により海外渡航のための支出が困難になったため、実現が難しくなった。そのため、外国語文献の資料収集は日本国内での実施に切り替えて実施する予定である。 債権者保護制度については、資本金の減少における債権者保護制度との比較という観点も加えて、最終年度である本年度は研究を進めていこうと考えている。
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