研究課題/領域番号 |
20K13374
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 尚美学園大学 |
研究代表者 |
奥乃 真弓 尚美学園大学, 総合政策学部, 教授(移行) (60866325)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | コーポレート・ガバナンス / スチュワードシップ / 機関投資家 / サステナビリティ / ESG / 独立社外取締役 / 啓発的株主価値 / 支配の好影響 / 少数株主 / 独立取締役 / 親子上場 / 会社の支配 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、支配株主と少数株主の利害対立に関し「会社を支配する」という概念の明確化を行いコーポレート・ガバナンスの再構築を図るものである。近年、親子上場における上場子会社の利益相反問題(一般株主利益の収奪)は国内外の投資家の懸念事項であり、上場子会社のガバナンスは市場機能の濫用との批判もある。親会社に限らず会社を「支配」する者への多数決濫用の抑制という観点から(1) 親子上場問題の本質である支配的な株主との利益相反における少数株主の保護、(2) 少数株主の保護の役割を担う独立社外取締役の議決権行使における多数決濫用からの保護について研究を行う。
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研究成果の概要 |
近年、ステークホルダー資本主義が台頭し、ESGをはじめとするサステナビリティがますます重要視されている。こうした国内外の動向を踏まえ、会社のあり方を、国や政府の役割と私法の役割、ソフトローの貢献について、英米の比較法の立場から調査・検討を行った。結果、会社は営利社団法人ではあるが、将来のリスクの内部化を鑑みサステナビリティ要素をマテリアリティの観点から勘案することも、市場価値最大化に貢献することを指摘した。会社は情報開示と説明責任を果たし、社外取締役の協力のもと機関投資家の賛同と共感を得ることで株主間の利害対立を緩和し真の企業価値最大化を引き出すことができることを指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
①英国のスチュワードシップ・コードやコーポレートガバナンス・コードの改訂を分析し,両コードの実質化から日本への示唆をしたところに学術的意義がある。 ②近年、重要視されるサステナビリティへの投資が株主利益最大化との間にトレードオフにあると従来考えられる傾向もあったが、会社がそれぞれの状況に応じてサステナビリティ要素のマテリアリティを勘案するとともに、少数株主やステークホルダーへの考慮が、将来的には収益機会となり、長期的には株主利益最大化にもつながることを指摘した。さらに、ソフトローがこのような施策を補完する役割であることを示唆したところに意義がある。
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