研究課題/領域番号 |
20K13382
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松原 妙華 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任助教 (70812626)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 報道倫理 / 内部告発 / 調査報道 / 公共性 / インタビュー調査 / 表現の自由 / 取材・報道の自由 / 知る権利 / 内部告発報道 / 東洋的視座 / 匿名性 / プライバシー / 人格権・人格的利益 / 報道の自由 / 情報法 / メディア法 / 取材源の保護 / 公衆の知る権利 / 実名/匿名・顔あり/顔なし / プライバシー権 / ICTによる民主化 / 公共的利益 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、記者に対して自主的な遵守が求められる報道倫理を、特に取材源-記者-公衆の関係性に着目し、内部告発報道事案を通じて追究する。関連裁判例の分析、文献研究、当事者や実務的側面への調査、情報法制度の動向調査等の学際的アプローチを通じ、報道倫理に関する理論構築を試みるだけでなく、具体的事案をもとに、実名・匿名報道、取材源秘匿、客観報道原則等、個別の倫理的課題についても検討し、報道機関の「取材・ 報道の自由」は、取材源の「表現の自由」や公衆の「知る権利」とどのような関係にあり、どのような役割を果たしうるのかという視点から、取材源-記者-公衆の間の信頼関係構築に資する報道のあり方を提示する。
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研究成果の概要 |
本研究は、記者に対して自主的な遵守が求められる報道倫理を〈取材源〉-〈記者・報道機関〉-〈公衆〉の関係性に着目しながら追究することを目的とし、①報道倫理に関する理論構築を試み、②報道における個別具体的な倫理的課題について検討した。 ①では、法学における議論と哲学・倫理学等の人文学との接続を試みながら、報道現場の実際的課題にも対応可能な普遍性の高い報道倫理を提示することを目指した。また、②では内部告発報道、裁判報道、沖縄報道、性加害・性被害報道といった個別的な報道テーマごとに調査をし、報道の役割を考察することに加えて報道対象者に対する人格権侵害やプライバシー侵害等の倫理的課題について検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、取材・報道が抱える法的・倫理的問題について、内部告発報道などの具体的事案を通じて学際的立体的研究を行い、実現可能性の高い研究結果を記者及び報道業界に提示することを試みた。表現の自由や報道の視点から内部告発を切り取ることで、これまで着目されることが多くなかった民主主義社会における内部告発報道の重要性に光を当て、取材源、記者、公衆の三者の関係性の視点から捉え、憲法における表現の自由の三形態の議論を規定し直した。当事者の視点を重視して、理論研究だけではなく事例研究を行い、学際性の高い研究方法で研究の立体化を試み、実際的な課題解決方法を目指した点に独自性があったと考える。
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