研究課題/領域番号 |
20K13394
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
佐藤 信 東京都立大学, 法学政治学研究科, 准教授 (70761419)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 1955年体制 / 55年体制 / ジェンダー / 政治史 / 金帰火来 / 議院事務局 / オーラル・ヒストリー / 政党 / 社会党 / 革新 |
研究開始時の研究の概要 |
「55年体制」はしばしば「自民党一党優位」として分析されるが、自民党と社会党との政党布置を前提とする以上、その実態解明には社会党の分析が不可欠である。そこで、本研究では社会党の動向にも目配りした「55年体制」の動態を明らかにしたうえで、それが“体制”として把握できるのであれば、その構造はいかなるものであったか、日本社会党の支持基盤や有権者におけるイメージ、議会政治における慣行を特定することを通して再考する。
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研究実績の概要 |
本研究はとりわけ有権者における認識と、議会政治における慣行に注目しながら、政治構造の変容を明らかにし、「55年体制」の“体制”化の実態を析出しようとするものである。COVID-19の蔓延によって重点的に公刊資料の集中的な検討を余儀なくされるなかで、議員やその家族の行動の重要性を発見し、このブレークスルーを中心に研究を進展させてきた。本年度は研究の取りまとめに向けた作業を進行させた。 第一に、ブレークスルーとなった「55年体制」におけるジェンダー秩序の体制性について、男性衆議院議員の女性配偶者の選挙活動の歴史的形成に関する論文を刊行した(「妻たちの選挙」)。加えて、議員自身の行動様式についても、とりわけ「金帰火来」の歴史的形成に着目して研究を展開して日本政治学会での報告を行った(「「金帰火来」の誕生」)。 第二に、1955年体制及びそれ以降の議事慣行について理解するため実施していた衆議院事務総長経験者のオーラル・ヒストリーを無事に終了させた。本オーラル・ヒストリーは報告書にするほか、書籍としての刊行を目指している。当該オーラル・ヒストリーについては研究会での報告を行ったほか、オーラル・ヒストリーの方法論についても論文を執筆した(「層を重ねる」)。 第三に、COVID-19の蔓延と上記のブレークスルーに注力したために十分に展開することが叶わなかった社会党史料の収集を再開させた。具体的には青森県の淡谷悠蔵関係資料を収集した。 第四に、本研究課題と関連して独立基盤形成支援(試行)の支援を得て開始した日本政治外交史ネットワークの短評会も継続的に開催することで(本年度終了時点で35回開催)ネットワーク形成にも貢献している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究は順調に進行しているが、COVID-19の蔓延によって生じた前年度までの遅延がなお残っており、再延長によって当初予定に相当する研究成果の公表を目指している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最大の成果については論文のかたちですでに刊行することが叶ったため(「妻たちの選挙」)、その成果を拡張させて発展させながら、残る成果を着実に公刊することを目指す。 第一に、上記研究成果の延長線上に、ジェンダーという観点が政治史に与える可能性について大きく位置づける研究報告を日本政治学会で予定している。 第二に、すでに実施を完了している衆議院事務総長経験者のオーラル・ヒストリーを報告書として刊行したうえ、関係資料を再検討し、関係者の追加インタビューを行うなどして解題を執筆するなど、書籍化への作業を進める。
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