研究課題/領域番号 |
20K13407
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 一橋大学 (2022) 青山学院大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
田中 有佳子 (坂部有佳子) 一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 講師 (50732715)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 紛争後社会 / 平和の配当 / 東ティモール / リベリア / アチェ / 社会再統合 / 暴力 / 東南アジア / 西アフリカ |
研究開始時の研究の概要 |
国内紛争後の元兵士による社会への再統合は施策として試みられるが、失敗とされ彼らが犯罪等の暴力に加担する事例が観察される。 本研究はその原因を探るため、インタビュー、サーベイ調査、自然実験により新たなデータを抽出し、東ティモール、インドネシアのアチェ、リベリアの比較分析をする。元兵士を含む内戦の影響を受けた若者が暴力行為に加担するまでの因果メカニズムを明らかにする。元兵士間の構造関係の維持、社会経済状況への不満、選挙や犯罪組織の存在の3つの要因を取り上げ、元兵士を取り巻く紛争中と紛争後、世代間のダイナミクスを射程に含める。安全保障、開発等複合的な視点による平和政策への示唆を得ることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、東ティモール、アチェ、リベリアの多国間比較分析を行い、元兵士を含む内戦の影響を受けた若者が暴力行為に加担するまでの因果メカニズムを、インタビューとサーベイ調査により新たなデータを抽出し、体系的に明らかにすることを目指す。元兵士間の構造関係の維持、社会経済状況への不満、選挙や犯罪組織の存在の3つの要因を取り上げ、元兵士を取り巻く紛争中と紛争後、世代間のダイナミクスを射程に含める。議論の一般的妥当性の確保を目指し、安全保障、開発等複合的な視点による再統合施策への示唆を得ることが可能となる。国内紛争後の平和の配当施策の一である元兵士の社会再統合は、社会上の期待に反する帰結として、元兵士が通常の生活を営めず一般犯罪等の暴力に加担することが観察されてきた。先行研究は、その過程に課題があるとして各国の事例や一般兵士を分析対象としてきたが、紛争後の経過年数を踏まえ、社会再統合の中長期的な帰結を分析する時期にある。各国で懸念されているのは、内戦の影響を受けた若年層・青年層が暴力に加担している点である。彼らの中には、元兵士の家族への優遇、就職に苦戦するといった不満があるといわれる。中長期的にみると、元兵士が家族・子供を含めて世代間の貧困の連鎖に陥いるほか、子供兵の一部がストリートチルドレンと化すケースも観察される。 2022年度は、リベリアにおいて現地調査・サーベイ調査の一部を実施した。東ティモールの分析に関し学会報告をしたうえで論文を公刊した。また、リベリアの分析につき論文を作成、投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画全体として、リベリアにおけるサーベイ調査を一部実施することができたが、新型コロナウィルス感染症による現地調査の遅延、ならびに為替レートの変動により、調査は当初の計画と比較して、規模と内容を縮小・限定せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は残額予算を踏まえつつ、サーベイ調査の実施可否を見極める。現在収集した調査結果で実施可能な分析と論文執筆を進める。
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