研究課題/領域番号 |
20K13416
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 京都大学 (2022-2023) 同志社大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
村田 陽 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (30823299)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | J. S. ミル / デモクラシー / 代議制民主主義 / 政治改革 / 哲学的急進派 / ジョージ・グロート / ジェレミー・ベンサム / 民主政 / ギリシア史 / 功利主義 / 政治思想 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、19世紀ブリテンにおける哲学的急進派とデモクラシー論の知的コンテクストの再検討を通じて、J. S. ミル(1806-1873)の政治思想を改革論の観点から明らかにする。ミルの政治思想が現実政治の改革という目的に基礎付けられていたことを示し、当時の保守、リベラル、急進派という政治的対立軸のなかで、彼の思想的特徴を分析することが本研究の課題である。かかる課題に取り組むにあたり、本研究では、民主的改革の是非が問われた1832年の第一次選挙法改正から1867年の第二次選挙法改正までを主たる分析時期とし、ミルや哲学的急進派の著作およびそれらに関連した歴史的文脈の分析を文献実証的に実施する。
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研究成果の概要 |
19世紀ブリテンにおける哲学的急進派のデモクラシー論の知的コンテクストの再検討を通じて、J. S. ミルの改革の政治思想を分析した。ミルの政治思想が現実の改革という実践的目的に深く関連していたことを示すために、1832年の第一次選挙法改正から1867年の第二次選挙法改正までを主な分析時期に設定し、当時の保守、リベラル、哲学的急進派という政治的対立軸のなかで、彼の思想的特徴を分析した。その結果、ミルの改革論には、他の哲学的急進派のベンサム、J. ミル、G. グロートの支持した議会改革案との違いが明確にみられ、その一要因が時代の変化のなかで形成された彼独自の自由民主主義構想にあることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、一人の思想家(J. S. ミル)を主題としながらも、彼を取り巻く言説空間の解明を同時に試みた。その結果、ミルのみならず、彼の属した哲学的急進派や彼らの論敵との比較を行うことで、19世紀初頭から後半にかけてのブリテンの議会政治の一側面がミルの政治思想から析出された。ここに、一定の学術的意義が確認され得る。さらに、ミルは選挙制度など政治・社会の様々な改革を支持したが、そのいくつかは現代の日本や諸外国の民主主義を支える基礎を構成しており、民主的な政治の健全な運用に必要な諸要素について、歴史的に理解するための手かがりを提供する意義があったと捉えられる。
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