研究課題/領域番号 |
20K13428
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
大槻 一統 東京都立大学, 大学教育センター, 准教授 (00779093)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 核抑止 / 大量破壊兵器 / 戦争 / ゲーム理論 / サーベイ実験 / 安全保障 / 核抑止論 / 民主主義 / 権威主義 / 核兵器 / 抑止 / 政治体制 / 実験 |
研究開始時の研究の概要 |
核兵器研究に強い影響力をもつ核抑止論においては、当事国が信憑性をもって他国に核兵器の使用を信じさせることが前提となっている。しかし、我々は未だにこの前提について充分に理解していない。どのような条件において甚大な破壊と放射能汚染をもたらす核兵器の使用・報復は信憑性を持ちうるのだろうか?また、この信憑性の強さはどのような政治経済的要因によって決定づけられるのだろうか?これらの問いに解答を与えるために、本研究は核危機の国家関係を数理モデル化し、その実証的含意を検証し、当事国の政治体制と、争われている財の性質の組み合わせによって核兵器使用の信憑性、さらには核抑止の頑健性が決定されることを明らかにする。
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研究実績の概要 |
現在進行中のロシアとウクライナ、及びイスラエルとパレスチナの間の紛争は、核兵器の脅威を我々に再認識させただけでなく、核保有国と非核保有国の間の紛争におけるその役割の曖昧さを再確認させた。世界最大の核保有国ロシアはウクライナ侵攻に際して包括的核実験禁止条約の批准を撤回したが、実際の核兵器の使用に関してはあまり現実的に受け止められているとは言えない。本研究は、これらの軍事衝突のように、テリトリーが争点になるような紛争においてその土地が持つ政治経済的価値がいかに核抑止に影響を与えうるかを、また、核の感覚的脅威とその実際の使用の信憑性の間の乖離を分析するものであり、現代の戦争を考察する上で小さくない貢献があるものと考えられる。
昨年度までに論文は概ね完成し、学会発表でのフィードバックも充分に得ていたため、今年度は校正・リバイズと英文査読誌への投稿に集中した。また、American Political Science Association Annual Conference等の学会の参加を通し、今後の核抑止及び大量破壊兵器に関するリテラチャーの方向性を確認することができた。さらに、関連する専門家とのネットワーキングを通じて、最新の研究動向や政策に関する洞察も深めることができた。残念ながら論文の掲載には至っていないが、今後も投稿とリバイズを継続していく計画であり、その過程で得られるフィードバックや新たな知見を論文に反映させることを目指している。加えて、他の関連分野の研究者との、特に紛争や暴力の倫理性に関するコラボレーションも積極的に模索していく予定である。
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