研究課題/領域番号 |
20K13447
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 特定非営利活動法人喜界島サンゴ礁科学研究所 |
研究代表者 |
渡邉 貴昭 特定非営利活動法人喜界島サンゴ礁科学研究所, 研究部門, 特別研究員 (00852310)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | サンゴ / オマーン / アラビア半島 / Sr/Ca比 / Ba/Ca比 / 酸素同位体比 / 酸素安定同位体比 / 古気候復元 / ペルシャ湾 / 古環境 / サンゴ骨格 / 社会情勢 |
研究開始時の研究の概要 |
西アジア地域は、人類史の中でも早くから文明が発展し、交易の中心として文化・経済の重要な地域であり続けていた。しかし、近年の中東地域の社会情勢は不安定である。近年の中東地域の不安定な社会情勢には、干ばつと砂嵐の多発といった気候変動の寄与が指摘されている。過去に発生した気候変動の影響を検証するためには連続した観測記録が必要となる。そこで、過去の干ばつと砂嵐の頻度と強さをペルシャ湾産の造礁サンゴを用いた代替指標で復元することにより、観測記録の不足を補い、近年の西アジアの気候変動を解明する。復元記録をもとに気候変動が中東社会に与えてきた影響を解明する
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研究成果の概要 |
本研究は、本地域で採取された造礁サンゴ骨格を代替指標とし、中東地域での乾燥度や砂嵐を伴う地域風(シャ マール)の変遷を復元することを目指した。 気候要素を高精度に復元するために、塩分指標の算出法や河川流量の指標の分析方法を新たに確立した。さらに、人為的要因による現在の温暖気候と自然要因による過去の温暖気候を比較することで、現在の中東地域の環境が特異であるかどうかを検証した。オマー ン国北東部にて採取された造礁サンゴ骨格を用いて、現在と同程度に温暖であった12万年前の気候要素を復元した。その結果、当時は現在の記録で確認されるよりも冬季モンスーンが強く、地域風も強かった可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、サンゴ骨格を用いて古環境復元を行う際に最も頻繁に用いられる指標の1つである塩分指標の新たな計算方法を確立することに成功した。また、過去の洪水や干ばつを復元することができる河川流量指標の簡便かつ低コストな分析手法を確立した。本研究で開発された2つの手法は、中東地域の古環境復元のみならず、世界中の地域を対象としたサンゴ骨格を用いた古環境復元への応用が期待される。
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