研究課題/領域番号 |
20K13449
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鈴木 慶春 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (30748520)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 経済成長 / イノベーション / 特許保護 / 現金保有 / 研究開発 / 資金調達 / 特許ライセンス / 研究開発投資 / 金融政策 / 企業の現金保有 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は既存研究と異なり、コーポレート・ファイナンス分野の研究で明らかにされている企業の現金保有行動やR&D投資の調整費用を内生的経済成長理論に取り入れる。本研究を通じて金融政策が企業のR&D活動や経済成長に与える理論的影響が解明され、中央銀行が取るべき金融政策が明らかになる。また本研究では理論だけでなく、企業活動の個票データ等を用いてインフレ率が企業の現金保有行動やR&D活動にどのような影響を及ぼしているかを実証的に分析する。それを通じて構築したモデルの実証的妥当性を検証するとともに、そのメカニズムを説明する理論の再構築を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では,現実の企業が投資のために手元現金を使用していることに着目した内生成長モデルを構築した.企業の利潤が全て配当に回ることが想定されている既存理論とは大きく異なる.その結果,経済の研究開発投資を活発にするためにはフォロワー企業の手元資金を増やす政策が有効であることが明らかになった.例えば既存特許の保護を強化する政策は,フォロワー企業の利潤を減らすために研究開発投資を抑制してしまう効果がある.一方で素朴なシュンペーター効果により研究開発投資への意欲が高まるという正の効果も存在する.その結果,前者と後者の効果どちらが支配的かによってトータルの効果が決定されることを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
労働力人口の減少に直面する日本において,生産性の向上を通じた経済成長をいかに達成するかは非常に重要な課題である.本研究では,現金保有を行う企業の研究開発投資をいかに刺激するか,という視点から新たな理論研究を行なったものである.現実の企業は外部資金よりも手元現金を積極的に用いることから,研究開発投資を行う企業の利潤を増加して資金制約を緩和するのが望ましいという本研究の主張は,一定の説得力を持つものである.
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