研究課題/領域番号 |
20K13463
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07020:経済学説および経済思想関連
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研究機関 | 帝京大学 (2022-2023) 大阪大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
周 雨霏 帝京大学, 外国語学部, 講師 (50823803)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 経済思想 / 資本主義論 / ドイツ歴史学派 / ゾンバルト / 社会科学史 / 日独思想交流 / ドイツ経済思想 / 歴史学派 / 資本主義 / 日本経済思想史 / ドイツ経済思想史 / 思想受容史 / 中独思想交流 / W・ゾンバルト / 資本主義理解 / 受容史 / Werner Sombart |
研究開始時の研究の概要 |
19世紀半ばごろから、「ウェスタン・インパクト」により、アジア諸国が近代資本主義システムへ編入され始めたのである。しかし、「資本主義」という概念が東アジアの思想空間に導入され、広く使われ始めたのは、世紀転換期におけるドイツ歴史学派の受容によるものである。本研究の目的は、「最若年」歴史学派の代表者であるヴェルナー・ゾンバルトに着目し、東アジアの絡み合う思想空間におけるゾンバルト資本主義論の受容史を掘り上げる思想史的検討を行う。そうすることによって、西洋の経済思想が日本を経由し、人の移動と情報の循環を通じて東アジアに広がっていく「知的連鎖」の実像を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、「最若年」歴史学派の代表者であるヴェルナー・ゾンバルト(1863-1941)に焦点を当て、近代資本主義の歴史的起源と段階的発展に関するゾンバルトの学説が東アジアの経済学者の資本主義理解に与えた影響を明らかにするものである。特に、ゾンバルトの経済学研究の中で、企業家精神、統合的な経済哲学、資本主義発生論に関する議論が日本と中国の経済学者の間で活発な議論を引き起こしているにもかかわらず、これまで十分に検討されてこなかった。本研究は、これらの知的連鎖を個別の経済学者の論説に即して検証し、多数の成果を論文として発表できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東アジアにおいて、資本主義に関する言説がすでに20世紀初頭に登場したが、多くの先行研究は1930年代の日本における資本主義論争及び中国における社会史論戦に集中している。初期の議論、特にドイツ歴史学派の強い影響を受けた資本主義論の東アジアへの移入の実態は、十分に解明されていない。本研究は、世紀転換期のドイツにおける代表的な資本主義論者であるゾンバルトの受容史を手がかりに、一国史的な枠組みを超えて20世紀前半の資本主義をめぐる言説のトランスナショナルな交差全体を視野に入れることに努めた。
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