研究課題/領域番号 |
20K13466
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07020:経済学説および経済思想関連
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研究機関 | 東京大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
齋藤 幸平 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80803684)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 脱成長 / マルクス / 気候変動 / コミュニズム / 資本主義 / MEGA / 人新世 / 気候危機 / 資本新世 / ルカーチ / 一元論 / グリーンニューディール / コモン |
研究開始時の研究の概要 |
現代社会が直面する経済・民主主義・気候変動の複合的危機は、資本主義システムそのものの効率性や正当性に疑念を投げかけるようになっており、「ポスト・キャピタリズム」をめぐる思想を活性化させている。本研究は、「脱成長」と「グリーン・ニューディール」に着目し、そのポテンシャルを批判的に検討する。通常相容れないとみなされている両者の洞察を統合することで危機を乗り越えるポスト・キャピタリズム論の展望を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、脱成長とグリーン・ニュー・ディールの比較検討を、カール・マルクスの思想をもとにして行った。最終的に、本研究は、脱成長を支持するとともに、マルクス自身の思想が晩年に向かうにつれて、脱成長と親和的なものになっていったことを明らかにすることができた。『人新世の「資本論」』とMarx in the Anthropoceneで展開された「脱成長コミュニズム」の考え方は、マルクス研究としてもオリジナリティが高く、気候危機の時代へと19世紀の思想を大きくアップデートすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、資本主義のもとで深刻化する格差と気候変動について、カール・マルクスの思想を用いて、経済システムに手を入れるような、より抜本的な改革が必要であることを示した。本研究が提起した「脱成長コミュニズム」という未来社会のビジョンは、学術的にもこれまで提起されたことがないマルクス解釈として新奇性が高くケンブリッジ大学出版から単著が刊行されたのみならず、コロナ禍と気候変動に苦しむ現実社会への問題提起として、新聞やテレビなどのメディアなどでも度々論じられた。
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