研究課題/領域番号 |
20K13477
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 神戸大学 (2021-2022) 一橋大学 (2020) |
研究代表者 |
松田 一茂 神戸大学, 経済学研究科, 講師 (60867167)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | マクロ経済学 / 賃金格差 / 人的資本 / 格差 / 大学 / 学生ローン / 教育 |
研究開始時の研究の概要 |
テクノロジーの進化に伴い大卒の労働者の需要は高まる一方、高卒の労働はロボットに置き換えられ需要は減っている。そのため、スキルプレミアムと呼ばれる大卒と高卒の賃金の差が拡大している。 本研究では大学中退者を増やすことなく効果的に大卒者数を増やすような新しい奨学金体系を考え、その奨学金体系がスキルプレミアムにどのように影響を与えるかを調べる。そのために、能力や所得が異なる経済主体が、内生的に大学の入学、中退、卒業を決定するマクロモデルを構築し、その新しい奨学金体系の下でスキルプレミアムがどのように変化するのかをシミュレートする。さらに、どのように社会厚生が改善されるかについても調べる。
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研究成果の概要 |
テクノロジーの進化に伴い大卒の労働者の需要は高まる一方、高卒の労働はロボットに置き換えられ需要は減っている。そのため、スキルプレミアムと呼ばれる大卒と高卒の賃金の差が拡大している。本研究では、大学中退者を増やすことなく効果的に大卒者数を増やすような新しい奨学金体系を考え、その奨学金体系がスキルプレミアムをより効果的に減らすことを示した。さらに、返済額が所得額に依存して決まる新しいタイプの学生ローンが大学に入学するリスクを下げ、大卒の数を増加させて社会厚生を上げることもわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アメリカの大学の中退率は、全入学者の50%にも上ることが広く知られてる。しかしながら、大学の中退者を減らすことをターゲットにしたマクロ経済学の研究は今まで多く見られず、その重要性を明確にすることが後発研究を誘発する可能性がある。また、学年ごとに大学の奨学金を変えることによるマクロ経済への影響を示すことで、単に総額を変更するだけではない新しいタイプの政策提案を考える研究が誘発できる。さらに、学年ごとに教育の補助金の額を変えるアイデアは、大学に限らず、幼児教育や小学校から高等学校、そして職場での訓練などにも応用でき、政策提案の可能性を広げることができる。
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