研究課題/領域番号 |
20K13478
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
鶴岡 昌徳 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (30756078)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | スコアリングオークション / 公共調達 / 価格と品質 / 価格競争入札 / 政府の裁量性 / 総合評価方式 / スコア入札 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「価格と品質の両面から競争する入札方式であるスコア入札が価格のみで入札者が競争する入札方式(価格競争入札)に比べてどのくらい政府の便益を大きくするのかを測ること」及び「工事タイプごとにスコア入札導入の効果が異なっているか否かを測ること」を公共工事の調達データを使って行う。これらの問いに答えるために、品質が重要でかつ技術的難易度の高い工事にスコア入札が使われる場合と技術的難易度の低い工事にスコア入札が使われる場合のそれぞれにおけるスコア入札の効果を価格と品質の両面から分析する。そして、これらの分析を行うために、プログラム評価の方法と構造推定といわれる計量分析の方法を使う。
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研究実績の概要 |
公共工事には年間で約6兆円の予算が使われており、さらには公共工事は失業対策などマクロ経済への影響もあるので、公共工事の調達方法について分析することは重要である。公共工事の入札では、スコアリングオークション(総合評価方式)と言われる価格と品質の両方で競争する入札方式が、近年、広く使われるようになっている。本研究では、「スコアリングオークションが価格のみで入札者同士が競争する入札方式(以下、価格競争入札)に比べて、どの程度、価格と品質を改善するのかを測ること」及び「どういう場合にスコアリングオークションを使うことが効果的なのか」を公共工事の調達データを使って行った。これらの問いに答えるために、品質が重要でかつ技術的難易度の高い工事にスコアリングオークションが使われる場合と技術的難易度の低い工事にスコアリングオークションが使われる場合のそれぞれにおけるスコアリングオークションの効果を価格と品質(工事期間等)の両面から分析した。回帰分析により得られた結果は以下の通り:品質が重要でかつ技術的難易度の高い工事がスコアリングオークションを通じて調達された場合、スコアリングオークションは価格競争入札に比べて価格と工事期間の両面を改善した。それに対して、技術的難易度の低い工事がスコアリングオークションにより調達された場合、スコアリングオークションは価格競争入札に比べて調達結果を改善しなかった。 当該年度においては、これらの分析結果に対する洞察を深めるために、国土交通省を含む多くの自治体で使用されている割り算ルール(価格/品質点)のスコアリングオークションの理論的な分析を行った。割り算ルールのスコアリングオークションは価格競争入札に比べて発注者にとってメリットのある調達方式という結果を導出できた。この論文については、翌年度中にの論文の公開、学会報告、国際学術雑誌への投稿を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実証分析の結果の洞察のために理論的な分析を行ったので、実証研究の結果をまとめる作業のための時間が少なくなった。 今後は、これまでに行った研究報告などで得られたアドバイスに基づいて論文の改定を行うことに専念した結果、おおむね論文が完成した。今後は、英文校閲に出して学会などで報告する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
英文校閲に出して論文を国際学術雑誌に投稿する。さらに、対面の国際学会が復活しているのでそれに参加して報告したり学会参加者と議論をさせてもらう。
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