研究課題/領域番号 |
20K13508
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 上智大学 (2023) 一橋大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
高橋 雅生 上智大学, 経済学部, 助教 (20864599)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 介護保険 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、介護保険における恣意的な給付水準の操作が、介護費と利用者の健康にどのような影響を与えているのかを明らかにし、公平で持続可能な介護保険制度の構築に貢献することを目指す。介護保険では、要介護認定員による介護必要度の評価によって利用者への給付水準が決定されるが、外部から個別の認定の妥当性を検証する仕組みが存在しないため、認定員によって恣意的に給付水準が決定されている可能性が指摘されてきた。本研究では、恣意的な操作がされていない場合の介護必要度の分布を一般的な仮定のもと復元し、観察される分布と比較することで給付水準の操作が介護費と利用者の健康に与える影響を推定する。
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研究成果の概要 |
介護保険では、要介護認定員による介護必要度の評価によって利用者への給付水準が決定されるが、外部から個別の認定の妥当性を検証する仕組みが存在しないため、認定員によって恣意的に給付水準が決定されている可能性が指摘されてきた。本研究では、恣意的な操作がされていない場合の介護必要度の分布を一般的な仮定のもと復元し、観察される分布と比較することで給付水準の操作が介護費に与える影響を推定した。恣意的な給付水準の決定により3パーセントほど介護費が上昇しているという結果を得た。また利用者やケアマネージャーの属性別に検証を行い、サービス利用が多い利用者ほど恣意的な認定の影響を受けやすいことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの社会福祉プログラムは、対象となる個人を選別するためにミーンズ・テストを行っている。経済的に不利な立場に置かれている人々の生活は福祉プログラムへの参加資格や手厚さによって大きく左右されるため、こうしたミーンズ・テストはこれらの人々にとって重大な意味を持つプロセスである。福祉へのアクセスがミーンズ・テストの結果に依存することは、その検査結果の裁量に関する懸念を生む。ミーンズ・テストを担当する者が、政治的・経済的利益のために結果を操作し、裁量で特定の個人にプログラムの資格を与える可能性がある。本研究は介護保険におけるミーンズ・テストが検査員の裁量によって歪んでいることを示唆するものである。
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