研究課題/領域番号 |
20K13510
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
茂住 政一郎 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (50757094)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 財政学 / 財政社会学 / アメリカ財政史 / 租税支出 / 納税者の同意 / 租税負担の公平性と公正性 / アメリカ財政 / 純累進性 / 納税者の反乱 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第二次世界大戦後から1970年代前半のアメリカ連邦税制改正に焦点を当て、①「租税支出」の縮小・廃止に失敗した要因とその結果形成された連邦税制に対する納税者の評価、②1970年代半ば以降頻発した「納税者の反乱」と「租税支出」への依存をもたらした歴史的・制度的要因を、未公刊資料を活用した歴史実証分析によって明らかにする。その上で財源と「納税者の同意」の調達という現代的課題への新たな知見を提供することを試みるものである。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、アメリカ連邦政府による 「租税支出」の概念の構築と連邦税制、納税者の評価の関係が、いかにして今日のアメリカ連邦財政、納税者の同意調達力、および財源調達能力に影響を与えたかを分析した。この研究の結果、低中所得層の抱える租税負担の不公平感と負担感の高まり、インフレーションに伴う直接的な給付の難しさを背景として、租税支出が活用される歴史を明らかにした。しかし同時にその選択が、政府の財源調達力、新たな税を導入することの難しさ、および政府が財政を通じて社会経済的課題に対処する柔軟性を損なってきたことを、本研究課題は明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の学術的・社会的な意義として、①ほぼ先行研究では等閑視されていた「政策の受け手」の視点を財政史研究や財政理論に取り込む重要性を提起したこと、②未公刊資料を活用した新たな史実の発掘、③政策の受け手が何を「公正」と捉えるかが、財政理論や実際の政策形成の場面で考慮されるべき事柄であるということを明らかにしたことが挙げられる。とりわけ、①租税支出のような、特定の条件を満たす場合に適用される租税優遇措置は、政府と納税者(人々)のつながりを弱め、政府に対する人々の信頼や財政運営に対する信認を得にくくすること、②その結果、人々が財政政策を公正と見做しにくくなることを明らかにした点が重要である。
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