研究課題/領域番号 |
20K13512
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 千葉大学 (2022) 愛媛大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
新関 剛史 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (40733986)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 期待インフレ率 / 非伝統的金融政策 / 主観的データ / 家計消費 / 非伝統的財政・金融政策 / 家計支出 / 主観的な調査項目 / ライフサイクル・恒常所得仮説 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、主観的な調査項目を有する世帯レベルのマイクロデータを用い、①(ゼロ金利制約下において)期待インフレ率が家計消費に与える影響、②(恒常及び一時)所得ショックが家計消費に与える影響、の2点を明らかにする。①については、GDPの約6割は消費からなっているため、近年期待インフレ率の上昇を試みているいわゆる非伝統的金融政策の効果を評価する上で重要な示唆を提供してくれると期待できる。②については、所得ショックを恒常所得ショックと一時所得ショックに分けた上で、それらに対する家計消費の反応を見ることで、ライフサイクル・恒常所得仮説の検証が可能である。
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研究成果の概要 |
本研究では、家計レベルの主観的なデータを用いることで、2つの分析を行なった。 1つ目が期待インフレ率が家計支出に与える影響についてであり、3つの政府統計をマッチングすることで分析を行なった。その結果、期待インフレ率の上昇は一時的に耐久財支出を中心に家計支出を刺激するが、その後2四半期程度で同程度の反動減があり、長期的に家計支出は影響を受けない可能性が示された。 2つ目が恒常・一時所得ショックが家計支出に与える影響についてである。分析の結果、日本の家計は一時所得ショックもさることながら、恒常所得ショックについてもかなりの部分をinsureできている可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
期待インフレ率の上昇が一時的に家計支出を刺激しうるが、その後すぐに同程度の反動減があり、家計支出に与える長期的な影響はほぼないという分析結果は、ゼロ金利制約下で行なわれている非伝統的研究政策の効果を考える上で、示唆深い結果と言える。特に、長期的な効果までを分析した研究事例は、筆者の知る限り、日本においては初めてである。 また、日本の家計は恒常所得ショックの8割程度をinsureできている結果は、リーマンショックやコロナショック等が家計の経済厚生に与える影響を考える上で、重要な結果と言える。
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