研究課題/領域番号 |
20K13527
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
岩本 菜々 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 助教 (20825509)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 高頻度データ / 企業規模 / 流動性 / 小型株効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、企業規模と超過リターンとの関係を表すアノマリーである小型株効果の日中変動を高頻度株式データにより示し、その変動要因を複数指数により確認する。小型株効果は日中株価変動にて発生すると示されたが、先行研究は四足値の使用に限られる場合がほとんどである。本研究では特に流動性に着目し、取引量、bid-ask spreadなど複数の分足流動性指数にくわえ、分足リターン、リスク指標、ボラティリティや経済指標により、条件別期間ごとに異常値への頑健性が高い相関、回帰分析を行う。データはニューヨーク証券取引所(NYSE)が提供するTrade and Quoteであり、NYSE上場全個別銘柄を対象とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、コロナ・ショック前後の米国株式市場において、市場状態による企業規模別日中リターンと流動性等の日中リスクとの関係を調査することを目的とする。 具体的には、コロナ・ショック下の株価下落期、その直後の上昇期、コロナ・ショック以前期の3つの期間に分け、まず、各期間の市場と企業規模別リターンや流動性等の指標の特徴を確認する。そして、相関、回帰分析により市場、企業規模別リターンに対する流動性リスク等の影響度が、市場状態によりどのように変化したのかを確認する。最後に、企業規模を考慮することにより、市場リターンに対する説明力が向上するかを検証し、それが、市場状態によってどの程度の差があるかを確認する。データはニューヨーク証券取引所(NYSE)を傘下に持つインターコンチネンタル取引所が提供する、2019年から2020年のDaily TAQ(Trade and Quote)であり、NYSE上場全個別銘柄を対象としている。本研究の結果は、アノマリーの一種である小型株効果に対する実証的示唆を与え、さらに、パンデミック発生時の株式市場の振る舞いを理解する上においても、市場参加者に重要な示唆を与えるものである。 本研究の結果、小型株グループのリターンとリスクは、市況に関係なく変動幅が大きく、弱気相場期では小型株グループのリターンが他グループのリターンよりも低下することが示された。さらに、回帰結果では、弱気相場期と強気相場期においては、小型株グループのリスクが市場リターンの説明力を向上させることを示唆している。 今年度は上記の分析結果をまとめ、学術誌に投稿した。現在リバイズ作業中であり、まだ論文公表には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度の先行研究調査やデータの再集計、より詳細な分析を踏まえ、COVID-19が米国株式市場に与えた影響に焦点を当てるよう方針を切り替えたため、先行研究調査などの論文執筆作業に時間がかかり、当初の計画よりも遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
リバイズ作業を完了し、学会発表を行う予定である。
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