研究課題/領域番号 |
20K13546
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
齋藤 英理子 (四谷) 帝京大学, 経済学部, 講師 (90803643)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 経済史 / イギリス / 福祉国家 / 社会保障 / 社会保険 / 医療 / イギリス史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、20世紀初頭のイギリスで誕生した国民健康保険(NHI)制度の医療サービスの運営実態に着目し、NHIによって開始された「医療に対する国家介入」が一般開業医をはじめとする様々な医療の現場にいかなる変化をもたらしたのかを解明することを課題とする。 こうした考察は、なぜ社会保険であるNHIが廃止され、第二次世界大戦後、原則無料の国民保健サービス(NHS)が採用されるに至ったのか、また、NHIとNHSの断絶面と連続面はどこにあったのか、という問いに答える上で一つの重要な手掛かりを与えてくれることになる。
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研究実績の概要 |
本研究は、20世紀初頭のイギリスで誕生した国民健康保険(NHI)制度の医療サービスの運営実態に着目し、NHIによって開始された「医療に対する国家介入」が様々な医療の現場や医療供給主体間の関係にいかなる変化をもたらしたのかを明らかにすることを課題とする。具体的には、NHIの下で初めて国家の統制下に入った一般開業医および結核対策を担ってきた民間団体に対する影響だけでなく、一般開業医と慈善施設である篤志病院(voluntary hospital)の相互関係の変化も考察することにより、福祉史の総体的な把握に寄与することを目指している。 令和5(2023)年度は、諸事情によりイギリスでの史料調査を実施することが困難であった。そのため、本年度も昨年度に引き続き、二次文献の調査・分析を進めるとともに、これまで国内の図書館やオンラインで収集してきたイギリス議会文書(特に保健省関連の文書)や議会議事録、医師会雑誌、新聞、同時代文献の分析を行い、NHIの国家介入が一般開業医の医療サービスに与えた影響について検討を進めた。また、NHIの結核対策であり、NHIの給付の中で唯一入院治療を規定した「サナトリウム給付」が民間の結核病院やサナトリウムの運営に与えた影響についても上記の史料を用いて検証を行った。 しかし、当初計画していた現地史料調査を実施できていないことから、十分な検討を進めることができていない論点もある。このことから、今後はイギリス国立公文書館等の現地の文書館・図書館に所蔵されている未刊行史料の収集・分析を行い、残された論点について考察を深めていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で、研究初年度から昨年度までイギリス、ロンドンでの史料調査を実施することができなかった。また本年度も現地調査の実施がかなわず、当初の計画を予定通り遂行することが困難となったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の延長が認められたことから、2024年度はこれまで収集してきた二次文献、史料の分析に加えて、イギリスでの史料調査を実施し、未刊行史料の収集・整理・分析を進める予定である。
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