研究課題/領域番号 |
20K13548
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小林 和夫 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (00823189)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 西アフリカ / 発展経路 / 繊維産業 / グローバル・ヒストリー / 熱帯 |
研究開始時の研究の概要 |
近年のグローバル・ヒストリー研究では、熱帯諸地域の経済発展パターンの解明が喫緊の課題になっている。本研究では、主として西アフリカの製造業(繊維生産)に着目することによって、同地域の経済発展の特徴を明らかにすることを目的とする。具体的には、まず環境条件の多様性が繊維生産に及ぼす影響と、地域内及び遠隔地交易が各地の生産・消費とどのように結びついているのかを考察する。なかでも、比較的史料にアクセスすることが容易な18世紀から20世紀の繊維生産や交易に焦点を絞ることによって、植民地化・脱植民地化前後での連続性・変化を解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度の主な実績として、日本語書籍1点(分担執筆)、英語書籍2点(うち分担執筆(単著)x1、分担執筆(共著)x1)があげられる。 具体的には、小川幸司(編集責任)、島田竜登(編集協力)『岩波講座世界歴史11―構造化される世界』所収の「商品連鎖のなかの西アフリカ―インド綿布と大西洋奴隷貿易」である。商品連鎖論を用いて、植民地化以前の西アフリカ経済発展を世界経済(とくにインド)との連動のなかに位置付ける試みである。その際、世界経済の受動的犠牲者ではなく、世界経済に影響をおよぼすアクターとして西アフリカを位置付けることで、同理論の既存の理解に修正を迫った。 英語書籍に所収された単著論文では、19世紀の仏領ポンディシェリの繊維産業の復興において、西アフリカ(セネガルとその後背地)における藍染め綿布需要とフランスの制度的条件が大きな役割を果たしたことを論じた。 別の英語書籍に所収されているGiorgio Riello教授との共著論文では、工業化以前の世界においてインド綿布が世界商品となったプロセスと要因を論じた。西アフリカにおける消費者の需要との関連についても言及した。なお、本論文を所収した論文集は、UNESCOのウェブサイトでオープンアクセスになっている。 これらの刊行物に加えて、国内外の学会において口頭発表を行った。主なものとしては、まず、日本金融学会の2022年度春季大会(5月14日)の特別セッションにおいて、西アフリカにおける布貨幣の起源と展開についての報告があげられる。加えて、7月にはフランス国立社会科学高等研究所(EHESS)で開催された第19回世界経済史会議で、ブラジルの研究者と共同で組織したセッションで「傘モデル」にかんする報告し、別のセッションでは、20世紀後半のガンビアにおける繊維産業について報告し、参加者と意見交換をする機会を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果を日本語と英語の論文として発表したことに加えて、世界経済史会議などでも口頭発表をして参加者と意見交換をすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画にしたがって、研究成果の発表を重ねていきたい。
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