研究課題/領域番号 |
20K13574
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
佐野 宏樹 立命館大学, 経営学部, 准教授 (70779628)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | サービスオペレーション / サービスシステム / サービス設計 / サービスモデル / 行動科学 / 知覚リスク / サービス・オペレーション / 社会的選好 / サービス・システム / 感情 / 行動 |
研究開始時の研究の概要 |
個人の顧客向けのサービス・システムの設計においては、行動科学的な視点から、顧客やサービス提供者の感情の変化を正しく理解することが特に重要であることが認識されている。一方、実際にはサービス提供者と顧客の感情の制御はサービス提供者個人の努力や資質に依存していることが多く、両者の感情の変化や感情的な相互作用を考慮したサービス・システムの設計の実践についてはさらに研究を進める必要がある。そこで本研究は、主に実験室実験によって得られたデータをもとに、顧客とサービス提供者の社会的選好が両者に引き起こす感情と行動について明らかにし、サービス・システムの設計に関する実践的な考察を深めることを目的とする。
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研究実績の概要 |
令和4年度は実店舗を持つ小売業者による宅配サービスの研究を進めた。実店舗販売と宅配サービスを同時に行う小売業者のビジネスをミクロ経済学的なモデルで表し、小売業者の価格決定や消費者余剰などについて考察した前年度の研究成果を基に、令和4年度は小売業者による宅配価格の差別化が消費者余剰などに与える影響について分析した。分析結果として、消費者の店舗までの移動にかかる費用に応じて異なる宅配価格を設定する場合、全ての消費者に対して均一の宅配価格を設定する場合と比べて、小売業者の利益と消費者余剰の両方を増加させる可能性があることを示した。ただし、この結果は特定の条件の下で限定的に示したものであり、この結果を実際のビジネスの状況とどのように結びつけて考えるべきかについては今後さらに検討を進める必要がある。この研究については令和4年8月25日にThe 6th World Conference on Production and Operations Managementにおいて口頭で発表した。 上記の研究以外には、観光地のサービスシステムに関する研究を進めた。具体的には、大阪市の主要な観光スポットの場所と宿泊施設の場所の分布状況との関係から、都市観光開発の政策的側面について考察した。この研究では、モーランのIと呼ばれる統計量などを用いて宿泊施設の分布状況を定量的に把握できることや、都市において観光行動によって生じる混雑の問題の緩和などのためには観光客の動きも考慮に入れた都市計画を行うことが重要であることを確認した。この研究の予備的な成果をまとめた論文は、Journal of Responsible Tourism Managementに掲載された。また、観光サービスにおけるメタバースの発展可能性について端的にまとめた論文をWakayama Tourism Reviewに発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の感染拡大の影響が続き、当初予定していた国際会議への現地参加を行えなかった。また、研究を進めていく中で、研究開始当初に考慮していなかった先行研究の成果や研究方法を踏まえて研究を実施するべきことがわかり、当初の研究計画の修正のために追加的な時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は小売業者の宅配サービスについて、実店舗小売業者、宅配業者、卸売業者の取引関係を評価するための数理モデルの構築と分析を目指す。また、宅配あるいは交通サービスに対する消費者の態度に関するデータの収集も目指す。
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