研究課題/領域番号 |
20K13577
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
大村 鍾太 桃山学院大学, ビジネスデザイン学部, 准教授 (40724050)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | サプライチェーン・コーディネーション / サプライチェーン・ファイナンス / ブロックチェーン / プラットフォーム / サプライチェーンファイナンス / サプライチェーンコーディネーション |
研究開始時の研究の概要 |
近年、新たな情報技術としてブロックチェーンが注目されている。サプライチェーンマネジメントにおいては、構成企業間で資金を融通し合うことで効率化を図る「サプライチェーンファイナンス(以下、SCF)」での応用が進んでいる。本研究では、数理モデルによる理論的アプローチにより、ブロックチェーンが実現する効果的なSCFプラットフォームについて研究する。
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研究実績の概要 |
令和4年度はブロックチェーンによる価値の即時移転を前提とした、SCF(サプライチェーンファイナンス)プラットフォームの理論モデル分析が研究実績である。 これまでの本研究でのモデルの開発と分析により、暗号通貨を用いた場合のリアルタイムのレベニューシェア契約のサプライチェーン全体のパフォーマンスを改善する可能性が示唆できている。一方で、「暗号通貨やトークンのようなものにより、ブロックチェーン上で価値の移転が市場の最終消費者を含めて行われる」という本モデルの前提は、実務とのギャップが大きい状態のままで変化があまりない。実務との整合性を持たせた理論モデルの構築に対しては、いまだ有望なものを発見できていない状態である。本研究開始の2020年ごろから、ブロックチェーンを応用したSCFの研究蓄積は増えてきている。2022年にはこの領域でのレビュー論文も発表されており、本研究の意義の再検討も行い、価値と共に移転されるリスクに着目する理論的な研究に重点を置くことにしている。 研究のもう1つの柱である、既存のプロトタイプ運用が進むプラットフォームの分析については、モデルに応用できる詳細な情報は得られないでいる。サプライチェーンの可視化に関しては、マイクロソフトや独SAPなど、大手ベンダーが取組みを加速しており、本研究が前提とする環境は部分的に整いつつあることが明らかになった。SCFに関しては、Web3の文脈でDeFi(分散型金融サービス)という用語が一般的になってきたが、サプライチェーン領域での進捗はあまりみられなかった。本研究における理論モデルと既存プラットフォーム分析の融合はうまく進んでいない。次年度も情報収集と並行しながら分析を進める予定であるが、研究を収束させるためにも、理論的研究に重点を置いて進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
既存プラットフォームの分析と実務との整合性を持たせた理論モデルが構築できていない。Web3の概念が注目される中で、本研究の意義は高まっていると言えるが、理念が先行している面も見られ、理論モデルへの反映に参考になるような詳細な情報は得られていない。特に「ブロックチェーン上で価値の移転が市場の最終消費者を含めて行われる」という本研究でこれまで用いてきた前提以外に、ブロックチェーン技術を応用したSCFプラットフォームで実現できることが定式化できない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
研究を収束させるため、理論的研究に重点を置く。本研究の計画時には実務が先行し、研究蓄積がないことを課題にしていたが、2023年時点でブロックチェーンを応用したSCFの研究蓄積は増えてきている。その研究動向の中に、本研究を位置づけることで成果を発表する予定である。特に価値と共に移転されるリスクに着目する理論モデルの研究を推進する。
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