研究課題/領域番号 |
20K13583
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
一小路 武安 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (80636390)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | IPO / ベンチャー企業 / ダイナミックケイパリティ / ビジネスモデルイノベーション / 多角化 / 組織アイデンティティ / ダイバーシティ / 経営戦略 / トップマネジメントチーム / イノベーションマネジメント / ダイナミックケイパビリティ / 経営者の認識 / キャリア形成 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、海外の研究では、優秀な経営者の経営判断とその成果というところに着目がなされており、経営者の認識や成長に影響を与える要素については十分に明らかになっていない。これは、経営陣の内部育成が企業で求められる日本においては見過ごしてはならない論点である。そこで、これを課題として、本研究では、以下の段階を想定した研究計画を設定する。まず、定性的な手法を用いて、経営者の成長の段階やその段階における影響要因を明らかにする。次に、定量的な手法を用いて、経営者の判断に影響を与える周囲の環境に関する有効な変数を抽出する。最後に定量的に得られた変数を踏まえて、改めて定性的に経営者の成長について検討する。
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研究実績の概要 |
今年度は定量的な手法に基づいての検証を行うことに主眼を置いて検討を行った。特に環境が経営者の判断にどのような影響を与えるのかという観点から主として研究を実施している。 IPOという経営者にとって重要な判断に環境が影響を与えるのかという点に関して検討したものである。日本の経済環境がホットマーケットに移行した2012年末(アベノミクス開始時)を転換点とし、IPOした企業をターゲット市場、サンプル企業の属性(起業形態)、実際の設立時期などの変数で分析した。その結果、経済的に恵まれた環境で活動する企業では、起業からIPOまでの平均期間が比較的長いことが明らかになった(Ichikohji,Nakano&Ogami, 2022) 。 もう一つは中小企業における経営判断に直接つながるダイナミックケイパビリティとビジネスモデルイノベーションの関係性について検討したものである。両者を構成している個々の要素の関係性を明らかにしたうえで、それぞれの関係性を明確にセンシング能力-価値獲得、セイジング能力-価値創造、トランスフォーミング能力-価値提案の間には、環境ダイナミズムの負のモデレーション効果が見出された(Huang&Ichikohji, 2022)。 さらに昨年度より引き続き、有価証券報告書を主要なデータベースとして、二つの研究を行っている。一つは多角化の成果に影響を与える要因として組織アイデンティティをコアな概念としたフレームワークを構築し、検討を行っていることである。もう一つは組織のトップマネジメントチームのダイバーシティが成果に与える影響について、検討を行っていることである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の研究そのものの進捗は決して順調とは言えなかった。これは当該年度の後半の校務の負担が想定以上に重く、研究へのエフォートが当初の想定を下回ったためである。しかしながら、前年度の研究進捗が想定以上であったため、総合的にはおおむね順調といえる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は有価証券報告書を主要なデータベースをとした研究について引き続き、取り組み、きちんとした成果に結びつけることが目標となる。しかしながら、当該年度と同様、次年度においても校務負担が計画段階よりはるかに重いことが想定されるため、研究にいかにエフォートをかけるかについて、校務とのバランスのマネジメントを工夫して新しい研究スタイルを確立していく予定である。
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