研究課題/領域番号 |
20K13593
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
河村 智行 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科(日吉), 特任准教授(有期)(研究)(非常勤) (90792953)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | デジタルトランスフォーメーション / 組織文化 / インタビュー / インターネット調査 / 共分散構造分析 / インターネットアンケート |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の90%の企業が、デジタルトランスフォーメーション(DX)による成果を十分に出していないと言われており、企業は効率的にDXを推進できる能力の獲得が急務である。DXの効率的な推進には、DXの実施に必要な能力を有する人材の獲得・育成のみならず、組織文化の影響を理解し、組織の変革を進めることが重要である。 本研究では、定性・定量調査を活用することで、我が国の企業におけるDXの推進に影響を与える組織文化の要因の構造を明らかにし、産業界に対して改善の提言を行う。
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研究実績の概要 |
令和2年度は、まずDXの成功/失敗の定義を整理し、日本企業に適用することでその確からしさを確認した。そして、E. Scheinの組織文化の3段階モデルを参照することで、DXの推進に影響を与える組織文化の要因を整理した。これらの成果を整理し、関連する学会で発表を行った。 令和3年度は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)よりDXの推進に関するデータを貸与いただき、14の要因がDXの推進に影響を与え、さらに企業規模などの属性の違いによりその傾向が異なることを明らかにした。これらの成果を整理し、関連する学会、および国際会議で発表を行った。また、日本企業に勤務する複数人の実務家にインタビューを実施し、8分類からなるDXの推進に影響を与える組織文化の要因を特定し、質問紙を作成した。 令和4年度は、前年度に作成した質問紙をもとにインターネット調査を実施し、日本企業から297件の有効データを収集した。そして、これらのデータに対し因子分析と重回帰分析を適用した結果、主に2つの組織文化の要因がDXの推進に直接強い影響を与えていることを明らかにした。これらの成果を整理し、関連する学会で発表を行った。また、DXの推進の程度を診断する手法を調査・試行し、その有効性を確認した。診断手法の一つである「DX-CMM」を中小企業で試行した結果、組織に合わせて診断範囲を柔軟に調整できる点など、いくつかの利点を特定した。これらの成果を整理し、関連する学会で発表を行った。 令和5年度は、前年度に収集した297件の日本企業のデータを活用し、共分散構造分析などを適用した結果、5つの組織文化の要因が相互に影響を与えながらDXの推進に影響を与えることを明らかにした。また、根本にある要因をもとに企業に対するDXの推進に向けた改善の方針を検討した。これらの成果を整理し、関連する学会で発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本企業に勤務する実務家にインタビューを実施することで、DXの推進に影響を与える組織文化の要因の精緻化・詳細化を進める予定であったが、Covid-19の影響で対面でのインタビューが困難となり実施が遅れた。 現時点ではインタビュー、インターネット調査、および共分散構造分析などによる分析は完了している。今後は企業規模などの属性の違いによる詳細な分析を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
インターネット調査によるデータの収集、および共分散構造分析の適用による分析が収集したため、今後は多母集団同時分析等を適用することで、組織規模などの属性毎の違いを明らかにする。これにより、属性毎にDXの推進に影響を与える組織文化の要因を特定し、学術論文の投稿、および学会発表等を通して産業界に改善の提言を行う予定である。
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