研究課題/領域番号 |
20K13596
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
三浦 紗綾子 昭和女子大学, グローバルビジネス学部, 講師 (60711893)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 資源動員 / 意図せざる結果 / 間接効果 / 企業家 / 靴産業 / 足の健康 / インソール / シューフィッター / 健康靴 / 中敷調整 / 利害関係 / 協調 / 靴選び / シュー・フィッティング / ドイツ / イノベーション / 小売業 / 経時変化 |
研究開始時の研究の概要 |
企業家は、イノベーションの実現に向けて他者を説得して支援を得ようとする。支援者は多様な動機でそこに参加しうるため、「適切な」支援者を動員しないと企業家との間に利害対立が生じてイノベーションが停滞すると指摘されている。 本研究の目的は、利害が一致した支援者を選別・動員できたとしても、企業家と支援者の利害が経時的に変化することで利害対立が生じることを示すことにある。 企業家と支援者が協力してイノベーションの推進に向けて努力投入がなされるなかで互いの利害が変化していくという時間展開を織り込んだメカニズムについて、靴産業の事例研究によって検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、企業家による支援者の動員とその意図せざる結果である。当初は、企業家とその直接的な支援者を研究の射程としていたが、理論研究と事例分析を往復しながら研究を進める中で、分析範囲を空間的・時間的に広げた方が研究意義があることが分かった。従って、企業家とそれが直接動員した支援者だけでなく、彼らの行動に影響を受けて間接的に動員されたプレイヤーも分析に含めて研究を進めた。企業家が支援者の動員に成功して当初目的を達成し、そのことが市場・産業にさらに引き起こす波及効果を分析した。その結果、企業家の意図に反するような結果が起こりうることが分かった。 分析対象である靴産業では、靴のファッション性ではなく健康機能の重視を訴える企業家(社会活動団体)の活動によって靴小売店が動員され、彼らの店にシューフィッターが広まった。同時に、人々の足の健康意識が高まった。こうした成功が、インソール市場に影響を与えた。インソール市場の主流製品は消臭・防菌機能インソールであったが、足の健康意識の高まりにチャンスを見出だしたメーカーが歩行サポート・インソールの展開を開始したのである。さらにそれにチャンスを見出だした雑貨企業が参入することで、歩行サポート・インソールはファッション雑貨化していった。雑貨店にて靴とは関係なく販売されるファッション雑貨としてのインソールは、足の健康の観点からは疑問視される製品であった。つまり、社会活動団体の当初の活動の成功が、意図せざる結果につながった。 2022年度中は、英文書籍(単著)の原稿の執筆を進めた。当初の計画では、海外ジャーナルへの投稿を行う計画であったのに対して発表媒体が変更になった。しかし英文書籍出版の機会を得たため、そちらを進めることにした。いずれにしても研究成果を英語で公開することに変更はない。2023年度中の出版を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は海外ジャーナルへの論文投稿が当初の予定であった。それに対して発表媒体が変更になったものの、単著・英語での研究書の原稿の執筆を進めた。2023年度中に英語での研究成果の発表をするという計画に向けて、原稿を執筆したという点で、概ね計画通りに研究が進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度中に英書での研究成果の発表を目指す。そのために、初稿を完成させ、校正作業を進める。 2023年度前半:英文校正を経て引き渡し原稿の完成 2023年度後半:出版社との校正作業 2024年3月:出版予定
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