研究課題/領域番号 |
20K13612
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 名古屋商科大学 (2021-2023) 一橋大学 (2020) |
研究代表者 |
織田 由美子 名古屋商科大学, 商学部, 准教授 (10867716)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 制度論 / 制度ロジック / ジェンダー / ロボット掃除機 / ロボット / 意図せざる結果 / グランドチャレンジ / 物質性 / 市場創造 / 翻訳 / マテリアリティ / パフォーマティビティ |
研究開始時の研究の概要 |
プライベート領域の市場化において、既存のジェンダー規範が維持されるプロセスを明らかにする上で、本研究では以下3点を行う。 第1に、既存のマーケティング研究に加え、組織論、社会学、ジェンダーに関わる文献をレビューし、リサーチギャップを導出する。 第2に、上記研究目的に関する「実践」の普及事例として、「婚活」を取り上げ、サービス普及の一方で、既存のジェンダー規範が維持されたプロセスを明らかにする。 第3に、「商品」の普及事例としての「ロボット掃除機」の分析を行い、家電の「スマート性」が、家事を「サボる」という伝統的な規範との矛盾を解消したのかについて明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、結婚や育児、介護等、プライベート領域の市場化において、伝統的なジェンダー規範が維持されるプロセスについて、市場で活用されるテク ノロジーなど物質性の影響という観点から明らかにすることである。より具体的には、恋愛や結婚、または掃除や洗濯など家事に関わる実践が市場化され、普及 する一方で、伝統的なジェンダー規範が維持されるプロセスを明らかにするということであった。 上述を明らかにする上で、特に本研究は、企業のマーケティングのみならず、テクノロジーの構成といった物質性が、意図せずしてジェンダー規範の温存に影響を与える可能性について検討した。 このような研究目的に対し、当該年度の研究計画においては、家事関連のテクノロジーに関する実証研究として、「ロボット掃除機」に関する事例研究を遂行した。 テクノロジーの採用において、効率化の追求と文化的抵抗という対立は、利用プロセスにおいてどのように解消されるのか。ロボット掃除機の事例をもとに、矛盾する制度ロジックを保有するテクノロジーが消費者にどのように受け入れられ、消費者との関係性がどのように構築されるかを検討した。 具体的には、ロボット掃除機の利用者30名に対し、オンラインでのインタビューを行い、利用状況、正当化の方法等について確認した。インタビュー内容は全てデータ化され、コーディングした上で、分析を行った。研究成果は、Society for the Advancement of Socio-Economics学会にて発表したのちに、学術誌「消費者行動研究」に投稿を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ロボット掃除機の事例研究について、昨年度の修正案に従い、インタビューデータの分析、コーティング等の作業をもとに、論文投稿を完了した。本年度は予定通り研究が完了する見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
「婚活」、「ロボット掃除機」いずれの研究においても、論文の投稿を完了した。今後は査読結果に応じて修正の対応を行なっていく予定である。
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