研究課題/領域番号 |
20K13615
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山口 景子 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (40801410)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 顧客経験価値 / 顧客共創 / モバイル / 触覚 / 振動知覚 / ロイヤルティプログラム / 自己効力感 / ゲーミフィケーション / キャンペーン / マーケティング / 電子商取引 / 消費者行動分析 |
研究開始時の研究の概要 |
スマートフォンなどのデジタル端末を用いて行う買い物では,日々新しい体験が企業によって生み出されている。一方で,この新しい体験はときに購買プロセス上で心理的な負担となり,結果的に消費者にとってネガティブな購買経験となりうることがある。この心理的負担がどのように生まれ,それを解消するために必要な購買環境がなにかは十分に検討されていない。 そこで本研究では,購買プロセスにおける消費者の心理的負担を解消し,ネガティブな購買経験を回避するための購買プロセス上の仕組みを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は,購買プロセスにおけるオンライン顧客経験価値の形成メカニズムの解明を目的とする。特に,購買プロセス上で発生する消費者の心理的負担を解消し,ネガティブな購買経験を回避するための仕組みを明らかにする。 モバイルを活用した顧客とのキャンペーン共創に関する研究を遂行する過程で,モバイルデバイスによる顧客とコミュニケーションのあり方を再考する余地があることが示された。そこで本年度は,モバイルから与えられる感覚刺激に対してユーザがどのような知覚を得るかについて検証を開始した。 文献調査の結果,デバイスから与えられる感覚刺激に対してユーザがどのような知覚を得るかに関する研究の多くが実験室実験で実施されており,より日常に近い条件下で先行研究と同等の結果が得られるかを確認する必要があることが明らかになった。そこで,モバイルデバイス上で感覚刺激を発生させるアプリケーションを開発し,その感覚刺激に対してどのような知覚を得たかを検証するオンライン実験を実施した。実験の結果,(1) 感覚刺激から得られる知覚は,より日常に近い条件においても実験室実験の結果とほぼ同等であったこと,(2) 同じ感覚刺激に対しても,知覚の種類によって感度が異なること,(3) モバイルデバイスの仕様,その持ち方,そしてユーザの特性が知覚の感度の違いに影響を与えていることが示された。 本年度得られた研究成果は,学術論文としてまとめpreprintとして公刊された。また,次年度以降の実験における基礎資料として活用する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,2021年度に分析をすすめた顧客とのキャンペーン共創に関する研究成果を論文としてまとめ,国際学術雑誌への投稿準備を進めた。 また,2021年度に新たに着想を得たモバイルデバイスによる顧客とコミュニケーションのあり方に関する研究課題について,本年度はWeb実験を実施して仮説検証のためのデータを収集し,統計分析を完了させた。この研究課題の成果を学術論文としてまとめ,arXivにpreprintとして投稿した。 さらに,新規研究課題を発展させるため,追加の文献調査に着手した。本年度実施したWeb実験で得られた知見をもとに,新たな実験室実験の計画にも着手した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度着手した新たな研究課題について,実験室実験の次年度中実施を目指して計画と準備を進める。また,24年度に開催される国際会議での発表を目標に,当該研究成果の論文化を並行して行う。 次年度は本助成の最終年度に相当するため,これまでに得られた研究成果のまとめと外部発表に注力する。本年度までの研究成果をまとめた学術論文2編を国際学術雑誌へ投稿し,採録を目指す。
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