研究課題/領域番号 |
20K13619
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 立命館大学 (2021-2022) 福井県立大学 (2020) |
研究代表者 |
石井 隆太 立命館大学, 経営学部, 准教授 (80842872)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マーケティング・チャネル / 流通チャネル / マルチ・チャネル / 国際マーケティング / 輸出チャネル / 流通戦略 / 販路拡大 / 参入形態 |
研究開始時の研究の概要 |
製造企業は、海外市場に製品を輸出する際に、直接チャネルと間接チャネルの双方、すなわち、デュアル・チャネルを用いることがある。本研究は、「海外市場でデュアル・チャネルを選択するのは、なぜか?」という問いに取り組み、海外市場におけるデュアル・チャネルの選択に影響を及ぼす要因を実証的に検討する。実証手法としては、国内の製造企業に対するヒアリング調査と大規模なアンケート調査を行うことでデータを収集し、多変量解析を実行する。本研究は、海外市場におけるデュアル・チャネルに注目することによって、チャネル研究の進展に貢献すると共に、海外市場に進出する日本企業に対して有用な示唆を提供することを目的とする。
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研究実績の概要 |
「海外市場におけるデュアル・チャネル選択要因の探究」と題する本研究プロジェクトでは、「チャネル同士の衝突が発生しやすい海外市場で、なぜ、企業はデュアル・チャネルを選択するのか?どのような場合に、デュアル・チャネルの選択は有効なのか?」という問いに取り組んでいる。研究プロジェクトの3年目に該当する本年度は、昨年度の成果を踏まえて、企業の外部特性である、制度的差異の役割を検討した。制度的差異とは、国家間で、価値観やビジネス慣習が異なる程度のことである。本年度は、海外市場におけるチャネル構造に関するサーベイデータを分析することで、次の知見を得ることができた。第1に、デュアル・チャネルの使用は、必ずしも、企業成果を高めるわけではなく、企業の内部・外部的な状況によっては、それが企業成果を損なう危険性もある。第2に、制度的差異が小さい場合においては、デュアル・チャネルの選択は有効であるものの、制度的差異が大きい場合においては、デュアル・チャネルは非有効的なオプションであるということである。海外市場には、現地ディーラーや海外顧客など様々なプレイヤーが存在しており、制度的差異が異なる状況においてデュアル・チャネルを使用してしまうと、そうした多種多様なプレイヤーとかかわる機会を増やしてしまい、チャネルコンフリクトが増加する傾向にある可能性が示唆された。この研究成果は、英語論文として取り纏められて、国際学術雑誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
プロジェクトの3年目に該当する本年度は、制度的差異が海外市場でのデュアル・チャネル選択に及ぼす効果を、実証的に検討する予定であった。既存のサーベイデータを分析することによって、その効果を検討することができた。しかしながら、制度的差異の測定方法には様々なものが存在しており、制度的差異の影響を詳しく吟味するためには、他の測定方法を用いた上で実証分析を行う必要がある。この点について取り組むことができていないため、本研究プロジェクトは、遅れていると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、制度的差異が、デュアル・チャネルの選択にいかなる影響を及ぼすのかを、いくつかの測定方法を準備した上で検討する予定である。その効果を実証的に検討するためのアンケートデータの収集、実証分析の準備を進める計画である。
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