研究課題/領域番号 |
20K13621
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
武谷 慧悟 駒澤大学, 経営学部, 准教授 (60769917)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 異文化間サービス・エンカウンター / サービス・エンカウンター / 文化的距離 / サービス・リカバリー / ステレオタイプ内容モ デル / アタッチメント理論 / 社会的アイデンティティ理論 / 消費者アフィニティ / ユーモア / ステレオタイプ内容モデル / 補償 / 説明 / サービス・マーケティング / 顧客満足 |
研究開始時の研究の概要 |
既存のサービス・マーケティング研究の大部分は、顧客と従業員の間で国籍や言語といった文化的背景が一致している状況を想定し、顧客満足を高めるためのサービス提供方法を探求してきた。ところが、急速に進展するグローバル化を背景として、顧客と従業員の間で文化的背景が一致しないサービス提供場面(i.e. 異文化間サービス・エンカウンター)が増加している。本研究の主な目的は、異文化間サービス・エンカウンターにおいて顧客満足を高めるための方法を、顧客・従業員双方の視点から、理論的・実証的研究に基づいて解明することである。
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研究実績の概要 |
2023年度の主な研究成果は2つである。 第一に,異文化間サービス・エンカウンター(ICSE)の概念に関する理論的検討の成果を学会にて報告した。本報告では,サービス・エンカウンターに関する既存の理論的研究の成果に基づき,ICSEに関する研究領域を2(顧客の相互作用対象:従業員 vs. 物的環境・他の顧客など)×3(タイムスパン:プレSE vs. コアSE vs. ポストSE)の6つのマトリクスに整理し,それぞれに含まれる具体的な先行研究を提示した。従来,散発的に行われてきた関連研究を「ICSE研究」というラベルで括り直し,ICSE研究の具体的なサブテーマ(e.g., カントリー・バイアスと異文化との出会い, 言語的/社会的サービススケープ,異文化の受容とマーケティング成果)を示したことで,今後のICSE研究の活性化に貢献しうると考えられる。 第二に,上述したサブテーマ(カントリー・バイアスと異文化との出会い)に関連して,未知の食品に対する態度が海外旅行意図に与える影響について,国際比較の視点を取り入れて検証した。成果は論文として発表している。分析の結果,①外国一般に対する好意的態度(消費者コスモポリタニズム)やデモグラフィック属性などを統制してもなお,未知の食品に対する態度と海外旅行意図の間にはネガティブな相関があること,②ただし,未知の食品に対する態度と海外旅行意図の関係性は消費者の文化的価値観(不確実性回避)によって異なる可能性があることを発見した。これらの結果に基づき,旅行商品のマーケティング・コミュニケーションについて実践的インプリケーションを提示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
異文化間サービス・エンカウンターの理論的検討について,研究成果の発表はできたものの,目標とする論文化には至っていない。また,本研究課題では,従業員視点のICSE研究も実施予定であるが,消費者視点の研究に想定以上の時間を割くことになったため,従業員視点の研究については実質的な成果を出せていない。以上より「遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
学会報告時にいただいたアドバイスなどに基づき,異文化間サービス・エンカウンター概念の理論的検討の成果について論文化を目指す。また,従業員視点の研究についても,24年度後半から実証研究を実施し,研究成果を残せるように努力する。
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