研究課題/領域番号 |
20K13635
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉永 裕登 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (40823141)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 集約利益 / 企業価値評価 |
研究開始時の研究の概要 |
財務会計の実証研究では、個別企業の会計情報の機能に注目する研究は厚く蓄積されてきた。その一方で、一国の上場企業全ての会計情報を平均・合計等でひとまとめにした集約会計情報に関する研究は歴史が薄く、十分に機能や有用性が明らかにされていない。そこで、本研究ではどの集約会計情報がいかなる条件下で有用な情報となるのか、という問いを研究課題の核心として設定している。
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研究実績の概要 |
当該年度における本研究の主な研究成果は、国内誌である『企業会計』に研究成果を通じて得られた知見をまとめた論文を3本、掲載したことである。1本目は依頼されて寄稿した「集約された会計情報によるGDP予測」である。これは、昨年度、国際誌に掲載された論文の内容や関連する研究領域の内容をまとめつつ、今後の研究の展開について論じたものである。2本目は「個人の資産運用に企業価値評価は使えるか?」と題したものであり、昨今拡充される予定であるNISAを取り上げつつ、企業価値評価の手法は個人が資産運用目的で利用するのはあまり得策ではないことについて、データとともに論じている。3本目は「2種類の企業価値評価とマルチプル法の手順や効果」であり、企業価値評価の手法を体系的にまとめつつ、その手法を実践するための流れや注意点をまとめている。
また、日本経済会計学会第39回年次大会において、統一論題報告「財務諸表分析の探索」で報告し、研究で得られた知見を幅広い研究者に対して報告する機会を得ている。なお、昨年度査読付き海外誌であるAsia-Pacific Journal of Accounting & Economicsに掲載された一橋大学の中野誠教授との共著論文"Aggregate earnings informativeness and economic shocks: international evidence"は、今年度に正式に巻号とともに掲載されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
科研費課題である集約利益の情報有用性に関する研究を進展させ、査読付き海外ジャーナルへの論文掲載巻号が決定され、国内誌への3本の掲載確定や統一論題報告での研究成果報告を行っている。その一方で、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴って、海外学会への参加を見送っているため、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度には、他大学でのセミナー報告を予定している。また、これまでにおこなった集約利益の情報有用性に関する研究成果と企業価値評価に関する研究、そして、近年のNISA拡充を踏まえて、研究で得られた知識を投資意思決定に役立てられる方向性で研究を推進したいと考えている。
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