研究課題/領域番号 |
20K13638
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤山 敬史 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (00756463)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 従業員 / 労使交渉 / 情報開示 / 株価反応 / 利益平準化 / 会計 / ディスクロージャー / 利害調整機能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は(1)従業員が企業についてどれだけ知っているのか、そして、(2)従業員と関連してコストや利益の性質がどのようになっているのかを検討する。 研究(1)では、労使交渉においてどのような情報が企業と従業員の間で共有されているのかを調査する。さらに、早期・希望退職の募集に従業員がどれだけ応じるのかについて株式市場がどのような判断をするのかについて分析する。 研究(2)では、日本企業の人件費が売上高の変化に対してどのように変化するのかを分析する。さらに、時系列での利益の変動性が各国の労働法制の違いによってどのように異なるのかを分析する。
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研究実績の概要 |
本研究課題は次の4つのプロジェクトから構成される。すなわち、①人員削減のアナウンスメントと株価反応、②労使交渉における情報共有、③人件費のコスト行動、そして、④労働法制と利益平準化である。本年度はそれぞれのプロジェクトについて下記のような研究活動を実施した。 ①では、希望退職および早期退職の募集およびその結果の適時開示に対して株式市場がどのように反応するのか分析した。分析結果は、募集に対して退職者が過剰である場合、短期的に株価が低下するというものである。また、長期的にも企業業績が低下している。退職者が過少である場合、他の場合と比べて株価が低下する、あるいは、上昇するという現象は観察されなかった。 ②では、労使交渉において労使間でどのような情報が共有されるのかについてあきらかにすることを目的としている。本年度は、アーカイバルデータに基づく分析のデータ期間を拡張するために追加のデータ収集を行った。また、データと実態の整合性を確認するために労働組合に対してインタビューを実施した。 ③では、人件費のコスト行動を分析した。これまでに実施した人件費の粘着性だけでなく、異常なコストの増減(real activity management)の観点からも分析を行った。 ④では、労働法制と利益平準化の関係性に対して配当がどのような影響を与えるのかについて国際比較分析を行っている。まず、労働者保護の強い国の企業はより利益平準化を行うことを発見している。平準化された配当が利益平準化と同様に事業の安定性を伝達するという前提にたち、利益平準化と配当平準化の代替性に着目して利益平準化と労働者保護の関係性に配当平準化が与える影響を分析した。しかし、様々な観点から分析をした結果、利益平準化、配当平準化、労働者保護の間に明確な分析結果を得ることはできなかった。
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