研究課題/領域番号 |
20K13644
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
張 キョウ 城西大学, 経営学部, 助教 (30848833)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 経営者能力 / 利益の質 / 株主資本コスト / 業績予想 / 経営者による業績予想 |
研究開始時の研究の概要 |
日本では、ほとんどすべての企業経営者は決算短信において次期の売上高や利益についての業績予想を公表している。この経営者予想は、投資者の意思決定変数として株価形成に重要な役割を果たしている。しかし、経営者が公表する予想値は実績値と乖離することがある。経営者予想は、経営者の見積りや判断を基に開示された企業の将来見通しについての予想である。そこで、経営者の経験や専門知識といった経営者の特性が経営者予想の質や方向性に決定的な影響を与えると考えられる。本研究は、経営者予想がより有効な利用がなされるように、経営者の特性を捉えられる尺度を用い、それが経営者予想との関連性を解明しようとするものである。
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研究実績の概要 |
今年度は、学会誌に投稿した論文「利益の質と経営者能力」を査読者によるコメントを参照しながら書き直した。書き直した本論文は、海外ジャーナルに投稿する予定である。 会計利益が資本市場の価格形成に不可欠な会計情報として、今日においても、その質に影響を与える要因は何かを解明することは重要な研究テーマである。利益情報には企業の将来における収益性やリスクに関する経営者による期待が含まれている。これらの期待は経営者の経験や専門知識に基づいて形成される。経営者は高質な利益情報を開示しようとしても、能力の限界によって投資者の意思決定を誤らせるような不正確な情報を開示してしまうことがある。言い換えれば、有能な経営者であるほど、企業の多様な経済活動を客観的に評価することによって、将来における収益性やリスクを的確に予測し、そして質が高い利益情報を開示することができる。そこで、経営者は高質な利益情報を開示するインセンティブを持っていると考えられる。利益の質に関する研究分野において代表的な先行研究であげられている7指標を利益の質の測定値とし、これらの指標と経営者能力との関連性を検証した。検証結果は、利益の質が経営者能力と関連しており、そして両者が正の関係にあることを示している。これは、財務諸表に計上できない経営者能力を評価するにあたって、会計情報の量的側面だけでなく、質的側面にも注目する必要があることを示し、投資者に対して新たな示唆を提供している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね研究計画書通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、上記論文「利益の質と経営者能力」の英文校正を行い、海外ジャーナルへ投稿する予定である。
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