研究課題/領域番号 |
20K13648
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 高千穂大学 |
研究代表者 |
桝谷 奎太 高千穂大学, 商学部, 准教授 (30845144)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 予算管理 / ROIC / 価値創造経営 / テンション / フィールド調査 / 日本企業 / 業績管理 / 事例研究 / 企業価値経営 / 資本コスト経営 / 定量的研究 / 予算制度 / 予算制度の利用スタイル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,予算制度の利用により優れた効果を獲得する組織が存在する一方で,様々な弊害を認識する組織も存在するのはなぜかという問いに対し解を提示することを目的としている。先行研究と申請者のこれまでの研究により,予算制度の具体的な使い方が特定され,その違いによって効果に違いが生じることが明らかになってきた。しかしながら,予算制度の使い方の違いがなぜ生まれるのかについて明らかにされているとは言えなかった。そこで本研究では,予算制度の特定の使い方を支援・阻害する要因として組織の情報環境と国の文化的環境に着目したうえで,文献調査,フィールド調査,質問票調査により,それらの影響解明に取り組む。
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研究実績の概要 |
最終年度は,(1)ROIC(Return on Invested Capital)指標を新たに導入した企業を対象としたデータの収集・分析,(2)コントロール実践がパフォーマンスに影響を及ぼすメカニズムの解明を目的とした事例研究を実施した。これらは,予算制度が効果的に機能する原理の解明という本研究課題の目的に基づくものである。双方の研究は,定性的研究である。 (1)では,前年度までおこなってきたデータの収集と分析を継続し,次の二点において成果を生むことができた。第一に,強い現場に対する本社経理部門の配慮や全員参加といった特性が,会計数値の強調による組織統合を抑制につながる一方,文化を活用したソフトなコントロールに関連することを明らかにした。これは,全員参加型経営という日本的な組織コンテクストの影響が大きい一社を対象とした事例研究による。第二に,調査サイトによってROICの中心性に相違が生じる原因についての仮説を帰納的に構築した。これは,比較事例研究による。 (2)では,テンションが組織の異なるレベルで顕在化するので,コントロール実践の構築においてはテンションを多元的に認識する必要があること,テンションは不安定な性質を帯びるので,通時的な注意が必要であることを明らかにした。この結果も,経年的な事例研究による。 以上のように,コントロール実践が優れたパフォーマンスにつながる原理について,メカニズムやコンティンジェンシーの特定による説明に成功した。COVID-19の影響により,当初の研究計画の実施は困難になったものの,代替的な計画を策定・実行し,一定の成果を生むことができた。
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