研究課題/領域番号 |
20K13666
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
逢坂 裕紀子 東京大学, 文書館, 特任研究員 (80864602)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 文化社会学 / 美術工芸 / 博覧会 / 都市論 / 社会学 / 都市空間 / 近代美術 / 公園 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、内国勧業博覧会の開催を契機として美術工芸関係者たちがどのような移動と集中の現象をみせたのか、そして美術と地域に関するいかなる歴史叙述が生産されてきたのかを分析することで、近代日本における美術制度の形成と都市空間の変容の関係性を明らかにする。内国勧業博覧会の開催以降、開催地となった公園地は文化的空間へと変容していった。それに付随して周辺地域では関係者や関連産業の移動や集中といった現象が発生した。博覧会開催前後に作成された記録資料や、美術史での調査研究の蓄積と地域に関する歴史叙述の分析を行うことによって、近代日本における美術制度の形成とそれにともなう都市空間の地勢の変化を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、近代の日本において内国勧業博覧会を契機として美術工芸関係者や関連産業がどのような移動と集中の現象をみせたのか、そして美術と地域に関するいかなる歴史叙述が生産されてきたのかを分析することを目的とする。研究の地理的対象は、第1回から第3回の内国勧業博覧会開催地であった東京と、第4回開催地である京都、そして第5回開催地だった大阪としている。 2022年度は前年度から引き続いて、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、移動をともなう活動は制限を受けた。しかし、限られた機会のなかで資料・文献調査をおこない、博覧会開催と都市計画の関係を示す資料の収集・分析を行った。また、以前より継続してきた、第1回から第3回までの内国勧業博覧会開催地である東京・上野にある仲町通り商店街でのフィールドワークによって得られた画像資料や文書資料の調査、聞き取り調査を継続し、ウェブサイト「しのばず和文化プロジェクト」(https://shinobazu-wa.com/)にコンテンツを追加した。同ウェブサイトでは、美術工芸とその関連産業とともに発展してきた地域の歴史・文化を紹介するコンテンツを提供し、研究成果の社会的還元を行なっている。 さらに、これまでの資料調査から見えてきた、デジタル化された文化・知的情報資源の活用可能性を整理し、第7回デジタル・アーカイブ学会研究大会で研究報告を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者は、2022年夏に新型コロナウイルス感染症に罹患し療養を要したため、研究スケジュールにやや遅れが生じたが、再開後はデジタルアーカイブ学会での研究発表を行うなど問題なく研究活動を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
内国勧業博覧会開催地であった東京・京都・大阪を対象とし、1. 美術工芸関係者たちの移動と集中の解明と、2. 美術と地域に関する歴史叙述の分析を行うことで、近代美術制度の形成と都市空間の変容の関係性を分析する。 明治期・大正期に活動していた美術工芸界の関係者に関する資料の調査分析と地域に関する歴史記述の分析を行い、彼らの移動と集中がその後の都市空間の形成や変容にどのように作用したのかについて検証し、論文化する。
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