研究課題/領域番号 |
20K13667
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
田邊 佳美 東京外国語大学, 総合国際学研究院, 准教授 (40869880)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 旧植民地出身移民 / フランス / インターセクショナリティ / 連合/政治的連帯 / 対抗的公共圏 / 予示的政治 / マイノリティ知 / 社会運動 / 政治的連帯 / マイノリティの知 / サバルタン / 移民 / マイノリティ / 女性 / 反レイシズム / 連帯 / 知 / 反人種主義 / 言語実践 / フランス郊外 / フェミニズム / 反貧困 / 当事者性 / 連合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、フランスにおける旧植民地出身移民(の子孫)の抵抗における当事者および非当事者間の連合(coalition/alliance)の可能性と非可能性を明らかにすることを目指す。より具体的には、パリ市近郊のマイノリティ集住地区で活動する女性団体での参与観察と聞き取り調査を通して、どのような戦術(tactiques)や実践(praxis)が、人種・階級・ジェンダー・障害・学歴など絡み合う権力関係に状況付けられたアクター間の連合を可能にするのか、逆に何がそれを妨げ支配の構造を温存・再生産してしまうのかを明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、(1)非均一的なマイノリティ集団が多様なアクターの交差する社会運動空間で「連合」(連帯)を実現する不/可能性を、2012年から2019年にかけてパリ都市部郊外の長期調査で、フランスの旧植民地出身移民とその子孫を中心とした社会運動空間で収集したデータを用いて、「独立性」「政治的連帯」「予示的政治」「対抗的公共圏」の概念に依拠しつつ理論的に考察した。さらに、(2)二次資料と現地調査(2022年度と2023年度に実施)で得たデータから、「連合」(連帯)における「マイノリティ(化された)知」の位置付けを、事例と理論の両面において分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、マイノリティの政治における権力関係の問題に対して、フランスの事例に依拠した実証的分析と理論的考察から、実質的な「連合(連帯)」の障害・条件・契機を例示すると同時に、「対抗的公共圏」や「予示的政治」などの分析概念の精緻化に貢献し、マイノリティが社会正義を求めるなかで創造する知の意義を明らかにした点にある。世界的規模での経済格差や不平等が指摘され、社会内部の多様性が自明となっている現代社会において、マジョリティ/マイノリティ関係の複層的かつ複雑な理解は欠かせない。本研究の社会的意義は、公正かつ平等な政治・制度や社会関係の創造に向けた議論の材料を提供する点にある。
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