研究課題/領域番号 |
20K13669
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
跡部 千慧 立教大学, コミュニティ福祉学部, 助教 (70780823)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 女性のキャリア形成 / ケア労働 / 女性労働史 / 再生産領域 / ワークライフバランス / 高学歴女性のキャリア / 労働-生活 / キャリア形成 / 家事労働 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、市場経済の生産領域のみを視野に収めると、一見、ジェンダー平等の促進とみえてしまう格差の実態を、再生産領域やインフォーマルセクターも視野に入れることによって捉える。具体的には、1970年代から1980年代の首都圏で就職した近隣に頼れる親族のいない地方出身の女性教員が、出産後も継続して就労する際に、家事・育児を代替した労働者を考察する。 1990年以降、高学歴女性の出産後の就労継続は、議論の的を集めてきた。日本政府は、2014年から移民家事労働者の受け入れ促進を検討している。本研究は、今後一層、日本社会で起こり得る高学歴女性のキャリア形成に伴う家事・ケア労働の問題を歴史事例から考察する。
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研究成果の概要 |
本研究は、再生産領域やインフォーマルセクターも視野に入れて、高学歴女性のキャリア継続の課題を明らかにすることを目的としている。首都圏において1960年代に入職し、近隣に親族のいない地方都市出身の女性教員が、いかなるかたちで出産後も継続就労したのかを検討した。そこでの分析の軸は、ジェンダー間格差が大きい社会における賃労働と再生産労働の序列化である。ケア役割を担うがゆえに、職場で周辺化される女性教員たちであるが、家族だけで家事・育児を担うことは難しく、低賃金、もしくは、無償で家事・育児を代替する近隣の専業主婦によって、キャリアを継続してきたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦後、主婦化が進行する日本において、結婚・出産後も継続的に就労してきた女性教員を事例に、キャリア継続と再生産労働の関係性を検討した点にある。教育とジェンダー研究で蓄積されてきた女性教師の学校内での周辺化と、国際社会学において、再生産領域の国際性別分業という視点から着目されてきた家事・ケア労働者の問題を接合させ、日本社会におけるジェンダー構造を分析しようと試みた。今後、社会政策が内包するジェンダー規範も視野に入れた分析を進めることによって、日本社会のジェンダー秩序を捉える研究へと発展させていく予定である。女性の労働力化という日本社会が抱える課題にも貢献できる。
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