研究課題/領域番号 |
20K13679
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
村上 一基 東洋大学, 社会学部, 准教授 (00822420)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 移民 / 移民第2世代 / イスラーム / フランス / 郊外 / アイデンティティ / 社会的排除 / テロリズム / 移民第二世代 / 民族・エスニシティ |
研究開始時の研究の概要 |
2015年1月の風刺画新聞社襲撃事件以降、フランスにおいて若者のイスラーム過激化やホームグロウン・テロリズムが大きな社会問題のひとつとなっている。その一方で、テロリズムに対する「国民の団結」はマジョリティとマイノリティの「断絶」を生じさせ、イスラームに対する恐怖心や警戒心、さらにはムスリム移民第二世代に対する否定的まなざしを強めている。本研究は、テロリズム後のこれらの社会の動きが、日常的に宗教を実践する「過激化していない」ムスリムの若者のアイデンティティに及ぼした影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、テロリズムをうけて社会におけるイスラームへの否定的なまなざしが強まったことが、日常的に宗教を実践する「過激化していない」ムスリムの若者のアイデンティティに及ぼした影響を明らかにすることを目的とする。研究の結果、イスラームに対する排外主義的なまなざしが社会のみならず、政治や学術界でもさらに強まっており、さまざまな形での「規制」が行われるようになっていること、ムスリム移民第2世代は社会からのまなざしが宗教実践を阻むものではないと考えていることがあきらかとなった。だが、フランスで生きづらさを感じる人びとのなかには、他の国に移住する希望を持つ者なども多く見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、社会におけるマイノリティへのまなざしと、当事者のアイデンティティの関係を考察するものである。とりわけ、宗教的帰属が大きく社会問題化され、排外主義が高まったときに、その問題とは直接関係のない、日常的に宗教を信仰し実践する人びとの、自らの社会的地位に関する認識がどのような影響を受け、そしてそのアイデンティティがどのように変容するかを検討した。 これは日本の多文化共生社会構築に不可欠な視点を与えるものである。日本では外国にルーツを持つ若者がますます増加傾向にある。移民第2世代が長く社会的な課題とされてきたフランスの事例を研究することで、日本にも新たな視点や分析枠組みを与えることができる。
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