研究課題/領域番号 |
20K13689
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター (2023) 奈良学園大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
大浦 智子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, チームリーダー (10581663)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 介護 / リハビリテーション / キャリア形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の主たる目的は,介護・リハビリテーション専門職のキャリア形成支援方策を開発することである.専門職のキャリア形成支援方策を開発するために,①介護・リハビリテーション専門職の経験や知識の蓄積プロセスを可視化し(質的研究),②専門職の精神的・身体的健康と仕事のパフォーマンス・満足感の促進要因を明らかにする(質問紙調査).そして,①②の結果に基づいて,③合意形成手法を用いて専門職のキャリア形成支援方策を開発する.包括的なケアチームで専門性を発揮できる人材の離職の抑止は人材不足に歯止めをかけることができ,キャリア形成支援方策を開発することでケアの質の向上に寄与しうる.
|
研究実績の概要 |
本研究は,高齢者介護・リハビリテーションの質の向上にむけて,介護・リハビリテーション専門職のキャリア形成支援方策を開発する予定であった.しかし,臨床における感染対策への持続的な負担からインタビュー調査の調整に難渋したため,介護職員を対象としたキャリアに関する質問紙調査に変更し,昨年度に引き続き既存データを活用した分析と発表を行った. 社会福祉法人Aの特別養護老人ホーム,小規模特別養護老人ホーム,介護老人保健施設に勤務する介護福祉士と介護職員57名から質問紙を回収した(2023年8月).介護福祉士と介護職員の勤務継続の意向は施設によって異なっていたが,各施設の介護職員の年齢・経験年数が異なっていたことも回答に影響があったと推察される.今の仕事に対する不安や心配があると回答したのは38名(66.7%)で,その自由記述内容は「心身の不安」が最も多く,「継続への不安」,「育成環境」,「人的環境」,「自己の能力への不安」,「ミスへの不安」,「対象者」,「職場に対するネガティブな意識」,「ライフプランとの兼ね合い」,「仕事全般」に集約された.一方,今の仕事を続けるにあたって目指していることがあると回答したのは26名(45.6%)で,その自由記述内容は主に「資格取得」,「職場管理」,「スタッフ教育」,「利用者への視点」,「自己研鑽」に集約された. また,訪問リハビリテーション従事者の実践スキルについて,既存データを活用した報告を行った.資格取得後5年以上のリハビリテーション専門職であっても訪問リハビリテーション配属時には対象者の活動・参加に関する評価,対象者や家族の意向をふまえたプランの実施を意識的に行う必要性が示唆されたこと,従事期間にかかわらず,ICFで統合的に分析し対象者や家族に分かりやすく伝えること,根拠に基づくプランの立案にかかわる実践能力の向上を図る必要性が示唆されたことを報告した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究に協力する医療・介護領域の臨床実践者との対面インタビューの制約が生じ,当初予定調査を大幅に変更し,遅れている.
|
今後の研究の推進方策 |
既存データを最大限に活用しながら,これまでに本研究で実施した調査について、分析と結果の公表を進める.
|