研究課題/領域番号 |
20K13705
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
石井 由香理 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (90788431)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ジェンダー / 性別違和 / ジェンダー・アイデンティティ / 福祉制度 / 生活保護 / 異性装 / クロスドレッサー / トランスジェンダー / 貧困 |
研究開始時の研究の概要 |
異性装者を含めた性別違和を覚える人たちの経済的困難性の実態把握を行うために,主に半構造化面接法を通じて,かれらが抱える脆弱性が何かを明らかにし,社会(福祉)制度の対象の外側に配置される過程,および,かれらが抱えているリスクや困難性がどのようなものであるのかを把握する.本研究で対象とするのは,存在や抱えている困難性が不可視化されやすいか,あるいは,すでに経済的に困窮した状態に置かれている人たちである.
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研究実績の概要 |
本年度に関しては、生誕時に与えられた性別に違和感を持つ人と福祉制度の関係性に焦点をあてて、研究を継続して行った。認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの結城翼氏と行ったもやい利用者への調査、及び、関西大学の宮田りりぃ氏とともに、大阪での聞き取りを行った。いずれの対象者も、生活保護制度を利用したことのある人たちである。トランスジェンダーやノンバイナリーなどの人たちが、福祉制度を利用するに至る経緯は何か、シスジェンダーを前提とした(生誕時に与えられた性別のまま生活することを前提として作られている)福祉制度を利用するなかでどのような困難性に直面したのかということを聞き取っている。いずれにしても、新しい知見が得られてはいるが、福祉制度との関連で論じたものについては、まだ十分なまとめの作業には入れてはいないものの、ニーズが高いものと判断をし、速報的に、日本社会学会での学会報告を行ったうえで、Cisgenderism in Japanese social welfare systems: experiences of gender-nonconforming people in povertyというタイトルで、結城翼氏を筆頭に論文を執筆した。Social Theory and Dynamics 4に査読を経たのちに掲載されている。次年度では、これまでのデータを精査したうえで、まとめの作業に入り、国内の福祉制度のなかにジェンダー二元論がどのように存在しているのか、それが当事者にどういった影響を与えているのかについて考察していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響により、特に関西において、十分なインタビューを確保できていないところがあるが、研究で得られた知見としては、社会的に意義が認められるものと認識している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、生誕時に与えられた性別に違和感を持つ人が、福祉制度を利用するに至る経緯、または、シスジェンダーや男女二元を前提とした福祉制度の問題点について、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの結城翼氏や関西大学の宮田りりぃ氏とともに、明らかにしていきたい。
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