研究課題/領域番号 |
20K13711
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
張 龍龍 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (80844141)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 権威主義体制 / 台湾 / 中国国民党 / <青年兵士> / 生活過程 / 戒厳令時代 / 大陸籍 / <青年兵> / 家族形成 / 退役 / 一時帰郷 / 台湾大撤退 / 就職 / 定着 / 成人期 / 新兵訓練 / 青年兵士 / 成人移行期 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、中国内戦で台湾へ渡った当時20歳前後の国民党兵士を対象に、1949年の戒厳令実施から1987年の戒厳令解除にいたる彼らの生活過程を、政府による権威主義体制の進展と連結しながら考察し、個人の発達過程と社会変動との相互関連を解明することである。その際、現在台湾有数の元兵士集落である<忠義眷村>を中心にフィールドワークを展開し、兵士らの過去の経験を調査時点から遡及するインタビュー法にとどまらず、彼らが大陸の親宛に作成した多くの手紙(戒厳令時代に投函されなかった)の内容を分析することで、戒厳令時代における心境の変遷を逐次確認する。
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研究成果の概要 |
本研究では、中国内戦で台湾へ渡った当時20歳から25歳(1924年から1929年出生)の国民党兵士(以下、<青年兵士>)を対象に、これまでの90年にわたる<青年兵士>のライフコースを研究射程に入れつつ、とりわけ1949年(大撤退、戒厳令布告)から1987年(戒厳令解除)にいたる<青年兵士>の生活過程を記述し、その動態をマクロ次元での権威主義体制の展開と、ミクロ次元での<青年兵士>と戦友・家族による生活戦略の両者から解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義と社会的意義は、つぎの3点である。 まず、本研究は、これまで看過されていた、台湾戒厳令時代における中国大陸籍軍人の社会史を明らかにした。 つぎに、1950年代から1980年代における<青年兵士>の生活史は、戒厳令解除以降の台湾社会を理解するための原点となる。 さらに、<青年兵士>を主体とする大陸籍軍人への差別は、現代台湾の外来者に対する排除構造の源となる。 総じていえば、1990年代、いわゆる民主化の道を歩み始めて以降の台湾社会を考察するには、まず、それ以前の権威主義体制の最前線に立たされた大陸籍軍人の社会史を理解しなければならない。
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