研究課題/領域番号 |
20K13716
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 名古屋学院大学 |
研究代表者 |
長谷川 和美 名古屋学院大学, 外国語学部, 講師 (90826562)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アイヌ / 北海道 / 帝国 / 吉田巌 / グローバル史 / アイヌ教育 / 植民地主義 / 明治期 / 植民地教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、明治期から昭和初期(1890年から1937年頃)までのアイヌ植民地教育政策を複眼的に研究することを目的とする。この複眼的研究とは、多様な角度(ミクロの視点、グローバルな視点、アイヌの視点)から植民地教育システムの力学を再検討することである。具体的には、植民地教育に従事したアイヌ教育者のアイヌ観をミクロな視点で比較すると共に、そのアイヌ観が、世界の先住民や人種に関するグローバルな概念の影響をどのように受けていたのかを分析する、グローバルな視点、さらに、アイヌ学校卒業後の生活やキャリア形成を検証する、アイヌの視点を含んだ多角的研究である。
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研究実績の概要 |
2023年度は、小谷部全一郎によって1905年に創立された私立の虻田実業学校(虻田学園)や他近代アイヌ学校で日本人教師として務めていた吉田巌(1882年ー1963年)の史料を精読して、論文を刊行した。未だ吉田の人物像やアイヌ学校での実践について研究が発展していない状況であるが、残された史料より、特に吉田が抱えていた「苦悩」や教育の場を通じてアイヌ児童と共有していた「沈黙」等を手がかりにしながら、資料を読み返し、ミクロな視点より北海道の植民地主義の分析を行った。論文は、 "The Double Missions of Ainu Education and Ethnography in Hokkaido, Japan: Yoshida Iwao’s ‘Unspeakable’ Moments and Intersubjectivity of Despair”(名古屋学院大学論集60巻4号、133―153頁)として、2024年3月に刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、吉田巌関連の史料を読み直しながら、英語での論文刊行をすることが出来たが、博士論文をベースにした書籍のための執筆が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
補強しなければいけない箇所を書き上げ、博士論文をベースにした英語での書籍出版に向けて執筆を進めていく予定である。また、出版社との連絡を続け、英語での出版が可能な出版社と連絡を取っていき、適切な出版社との契約を進める。2024年3月にシアトルにてAssociation for Asian Studiesの学会開催期間中に、Global Asiasシリーズの書籍刊行について、編集長であるTina Chenと Charlotte Eubanksと面談をして、まずは論文出版から始める等などのアドバイスをもらった。
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