研究課題/領域番号 |
20K13723
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
田中 佐千恵 (福島佐千恵) 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (60548767)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | うつ病 / リワーク / 復職支援 / 職場環境調整 / 産業精神保健 / 気分障害 / 適応障害 / ストレス関連障害 / 連携 / リワークプログラム / 企業との連携 |
研究開始時の研究の概要 |
医療リワークと企業とが協働して行ううつ病休職者に対する職場環境調整の支援モデルを開発するために、これまでにうつ病休職者を復職させた経験を持つ企業の担当者とうつ病リワークプログラムの専門家によって支援モデルの原案を作成し、実際の事例に対してモデルを試行し、支援モデルの課題や問題点を明らかにしていく。さらに改良した支援モデルを実際の事例に対して試行し、患者特性に適した職場環境を視覚的に確認する復職支援チェックリストとFAQを作成する。
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研究実績の概要 |
2022年1月から2023年3月までに支援モデルに基づく職場調整を実施できた患者4名とその企業担当者8名(上司3名、人事2名、産業保健スタッフ3名)に対して、支援モデルの有効性や問題点、課題共有のための個別インタビュー調査を実施した。インタビュー内容をICレコーダーに録音し、完全な逐語記録を作成後、質的内容分析を実施し、患者、企業担当者それぞれの感じている利点と課題について整理した。患者は支援モデルの利点について「細やかな配慮を受けることができた」「リワークが職場との摩擦緩和になっている」「患者の安心感につながっている」などを挙げ、課題としては「企業のリワークの理解度の低さ」「上司・産業医間の意識の差を感じる」「情報提供の不十分さにより配慮が表面的になった」などを挙げた。企業担当者は支援モデルの利点について「本人の特性や必要な配慮が分かった」「職場のサポート体制が強化された」「本人に寄り添う人が増えた」などを挙げ、課題としては「企業のリワークの理解度の低さ」「職場が過剰にリワークへ期待する」「直属の上司への負担感が大きい」などを挙げた。支援モデルに基づく職場調整は、患者はより適切な配慮を受けられ、サポート体制が強化されるという利点がある一方で、リワークプログラムについての説明、十分な情報提供、それぞれの役割分担を明確にすることなど、支援モデルを実施する際の課題が明らかになった。2023年3月に支援モデルに基づく職場調整を実施できた患者が5名おり、引き続きその分析を行っていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年4月から研究を開始する予定であったのが、新型コロナウィルス感染症対策のため8月からの開始となった分、全体的なスケジュールが後ろ倒しになってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年3月に支援モデルに基づく職場調整を実施できた患者が5名おり、研究への協力が患者3名、企業担当者8名から得られており、2023年5月、6月にデータ収集を終える予定である。2023年度中に支援モデルの有効性と課題を分析し、復職支援チェックリストとFAQを作成する。
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