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里親・養子縁組におけるソーシャルワーク-イギリスの実践から学ぶ-

研究課題

研究課題/領域番号 20K13728
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分08020:社会福祉学関連
研究機関京都府立大学

研究代表者

山口 敬子  京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (60772176)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード里親 / ソーシャルワーク / こども家庭福祉 / 児童ソーシャルワーク / 里親委託 / フォスタリング / 里親支援 / 社会的養護
研究開始時の研究の概要

近年、わが国の社会的養護において里親委託が推進されつつあるが、日本ではソーシャルワーク支援を行うことができるほどのインフラが整備されていないため、1つの機関で里親のリクルート、里親への研修、マッチング、子どもとの関係調整、委託後の支援などの一連のサービスを実施していくのは現状では難しいのではないだろうか。
こうした問題意識から、本研究ではイギリスの民間里親機関へのヒアリング調査を通して、先進国の里親委託・養子縁組におけるソーシャルワーク実践や、包括的な支援の実践にむけた示唆を得ようと考える。

研究実績の概要

昨年度は主に、日本とイングランドにおける、フォスタリング・アセスメントの比較検討を行った。
日本の場合、認定時アセスメントに関するガイドラインや手引き等はなく、また、アセスメントを行う人がソーシャルワーカーであるとは限らないのが現状である。イングランドのすべての里親登録希望者は、ソーシャルワーカーによる家庭訪問、身元調査、推薦状の提出、初期トレーニングの受講といったプロセスを経て里親認定審査に進んでいく。イングランドの場合、これらを一連の里親認定アセスメントとしてとらえており、通常6~8ヶ月ほどかけて進めていくプロセスとなっている。
日本では、適切なアセスメントに基づいた丁寧なマッチングが行われないまま委託が開されることで養育がうまくいかず、いわゆる「不調」になることがあったり、さらにその「不調」を防ぐためにますます委託に慎重になる、という負の循環も起こっている。こういった問題の要因は1つではなく、複雑に問題が絡んでいると思われ、制度見直しを含め、フォスタリング・ソーシャルワークの過程の包括的な取り組みが必要であるといえる。
また、日本とイングランドとの比較検討として、ニュージーランドおよびオーストラリアの里親支援について実地調査を行った。ニュージーランドでは、wrap around型の支援を行っている機関等を訪問した。また、オーストラリアでは、母体がイギリスにある里親支援機関等を訪問し、オーストラリアとイングランドの相違点等について実践者の見解を聴くことができた。オーストラリアは、イギリスから憲法や法律の影響を受けているが、家族法や児童福祉法に関しては、イギリスと大きく異なっているという。そのため、親責任や親権に関する考え方もイングランドと異なっているという。さらに、両国とも、多様な文化的背景に配慮した支援を重視しており、多様な取り組みが行われていた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、ウクライナ侵攻の影響により本来実施予定であったイギリスの里親機関のソーシャルワーカーへのインタビュー調査等が実施できなかったため、イギリスおよび日本との比較として、オーストラリアにおける里親委託ソーシャルワークに関する実地調査を行った。

今後の研究の推進方策

文献調査に関しては、イギリス政府やcoramBAAFが発行している資料をもとに、フォスタリング・ソーシャルワークを行ううえでの、日本の実践への示唆を得たいと考えている。
また、今年度も状況が改善次第、調査の実施について調整を行っていく予定である。今年度も実地調査が困難であった場合は、昨年度からの継続調査として、オーストラリアにおけるフォスタリング・ソーシャルワークについての調査を行う予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 子ども家庭福祉におけるソーシャルワーク専門職の質的向上に関する一考察―イギリスにおける児童ソーシャルワーカーの質的向上に関する取り組みに着目して―2023

    • 著者名/発表者名
      山口 敬子
    • 雑誌名

      福祉社会研究

      巻: 23 ページ: 61-76

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 民間団体「バナードス」の子育て支援機関・養子縁組支援団体およびフォスタリング機関の実践から見る日本の課題2021

    • 著者名/発表者名
      山口 敬子
    • 雑誌名

      養子縁組と里親の研究 新しい家族

      巻: 64 ページ: 116-122

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本のフォスタリングに関する法規定についての一考察 : イングランドの法規定に着目して2021

    • 著者名/発表者名
      山口敬子
    • 雑誌名

      福祉社会研究

      巻: 21 ページ: 73-87

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 子ども虐待防止学会フォスタリング・アセスメントの在り方に関する検討-フォスタリング・アセスメントのフォーム作成を目指して2023

    • 著者名/発表者名
      上村宏樹・山口敬子
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第 29 回学術集会滋賀大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Ofstedの実践にみる子どもへの支援およびケアの評価に関する一考察2022

    • 著者名/発表者名
      山口敬子
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第28回学術集会ふくおか大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 英国オフステッドの調査結果について2022

    • 著者名/発表者名
      山口敬子
    • 学会等名
      第4回FLEC(Family Life for Every Child)フォーラム
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 里親委託支援システム構築に関する一考察② ―Barnardo's の取り組みから―2020

    • 著者名/発表者名
      山口敬子
    • 学会等名
      日本社会福祉学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 養親・里親の認定と支援のためのアセスメント・ガイドブック2023

    • 著者名/発表者名
      パット・ビーズリー、引土 達雄、三輪 清子、山口 敬子、御園生 直美、海野 桂
    • 総ページ数
      432
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750356570
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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