研究課題/領域番号 |
20K13736
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 法政大学 (2022-2023) 東洋大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
岩田 千亜紀 法政大学, 現代福祉学部, 助教 (40801478)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 障害のある性暴力被害者 / 相談支援 / ソーシャルワーク / アンケート調査 / 2次被害 / ワンストップ支援センター / 障害 / 性暴力被害者 / ICT / 性暴力被害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、障害のある性暴力被害者への相談支援にかかる国内外の現状と課題を踏まえた、ソーシャルワーク実践のあり方について考察することである。 障害者では健常者に比べて約2~3倍、性暴力被害に遭う割合が高いことが明らかとなっている。一方、国内では、被害から長年経過した性暴力被害者への生活再建を目指したソーシャルワーク的支援や、障害のある性暴力被害者への障害特性を踏まえた支援は十分行われていない。 本研究は、国内外での文献研究や関連機関への調査を通じて、障害のある性暴力被害者への中長期にわたるソーシャルワーク支援のあり方を考察し、障害のある性暴力被害者の生活支援に寄与することを目指したものである。
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研究実績の概要 |
2023年度に実施した障害のある性暴力被害者を対象としたweb調査の結果について、日本社会福祉学会第71回秋季大会 (2023年10月15日開催)で発表を行った。学会では、性暴力被害を受けた障害者の約50名からの回答結果のうち、加害者は友人や養親など、近い人からが7割以上に上ったことなどについて発表を行った。また、被害者が被害を相談した際、知的障害のある人から「伝えるのが苦手なので信用してもらえなかった」など、被害が把握されにくい実態や2次被害の実態があることを明らかにした。本調査は、国内における障害のある性暴力被害者を対象とした初の包括的調査である。そのため、同学会での発表内容については、テレビおよび新聞などのメディアでも多数報道された。なお、同調査の結果については論文に取りまとめ、現在学会で査読中である(今後、英語論文として公表を予定)。 その他、日本発達障害学会からの依頼を受けて「発達障害と性暴力被害ー実態とリスク要因およびその背景ー 」という総説論文として発表を行った。さらに、きょうされん(旧共同作業所連絡協議会)からの依頼を受けて月刊誌である月刊きょうされんTOMOにおいて、「障害女性への性暴力の現状と課題 」について寄稿を行った。 さらに、これまで行ってきた障害のある性暴力被害者への調査結果を発展させ、2024年3月には、法政大学の紀要である『現代福祉研究』において、「不可視化されてきた男性、性的マイノリティ、障害者の性暴力被害と被害者支援 」と題した論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度に実施した障害のある性暴力被害者を対象としたweb調査アンケート調査については学会で発表済みであり、現在、論文の査読結果待ちである。当初は2023年度内に論文発表を行うことを予定していたが、年度内に査読が終わらなかったため、当初の科研費の予定を1年延長することとなった。査読結果を受けて、英文論文として今年度中に発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に実施した障害のある性暴力被害者を対象としたweb調査アンケート調査に関する論文について査読結果を受けて修正を行い、英文論文として公表を行う予定である。 その他、これまでの研究結果を踏まえて、2025年1月には、明治安田こころの健康財団からの依頼を受けて、「自閉症・発達障害と性暴力被害―その理解と支援―」という題名で、研修講師を務める予定である。同研修の受講対象は、自閉症・発達障害や特別支援教育に携わる学校関係者のほか、保育・相談に関わる専門職・保護者等となっている。研修の機会を通じて、これまでの研究成果について広く発信を行い、支援の充実に繋げていきたい。
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