研究課題/領域番号 |
20K13737
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 山口県立大学 (2022) 熊本学園大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
菱ヶ江 惠子 山口県立大学, 社会福祉学部, 講師 (80852706)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 小児がん経験者 / 治療終了後のニーズ / バイオサイコソーシャルモデル / がんサバイバーシップ / トータル・ケア / サポートプログラム / サポートグループ / 心理社会的支援 / 紹介と相談 / 治療終了後 |
研究開始時の研究の概要 |
小児がん経験者は、小児がんの既往について社会から正しい理解を得られなかったり、治療の影響で新たな病気を発症するケースもあるなど、さまざまなことで治療終了後も苦しむおそれがある。一方で小児がん経験者は健康管理のために医療に関する情報を求めていることや、他の小児がん経験者との交流を通して体験談や工夫を共有し、生活に活かしたいと考えていることをこれまでの研究で明らかにした。そこで、本研究では当事者の視点を重視しながら、治療終了後のトータル・ケアの実現を目指し、プログラム評価の理論と方法を参考に、当事者のニーズに応じたサポートプログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究では、小児がん経験者が治療終了後も、小児がんの既往や治療の影響でさまざまな課題を抱えることがある点に着目し、治療終了後のトータル・ケアの実現を目指してサポートプログラムを開発することを目的としている。2022年度はCOVID-19流行の状況を踏まえ、当初予定していたインタビュー調査ではなく質問紙調査の優先的実施を視野に入れながら研究に取り組んだ。 質問紙調査では小児がん経験者における治療終了後のニーズの確認を目的としていた。そのため、質問紙の作成にあたっては、まずはサポートプログラムの要素として取り扱うべき項目(長期フォローアップや晩期合併症に関する情報提供や受療支援、就労・就職支援、復学支援など)に関して先行研究を収集し、治療終了後の小児がん経験者に生じると考えられるニーズについてどのような研究がなされているか、BPSモデル(Bio-Psycho-Social model)に基づき先行研究レビューを行った。 その結果、バイオの側面では長期フォローアップ、晩期合併症、セルフケア、健康管理、移行期医療に関する研究、サイコの側面では自尊心、レジリエンス、小児がんの受容プロセスに関する研究、ソーシャルの側面では復学、就労、自助グループ、恋愛・結婚・妊娠・出産に関する研究、その他の研究に分類された。 今後の研究ではこれらの要素を枠組みとして質問紙を作成し、具体的にどのようなニーズがあるのかを当事者に確認する。加えて、サポートプログラムの構成要素についても先行研究レビューしたうえでその妥当性について小児がん経験者を対象に調査するとともに、医療機関の専門職を対象にサポートプログラムの実施・運営にあたっての課題と求められる支援について確認する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度もCOVID-19の流行により研究遂行に関して影響が生じた。また、所属機関が変更となり新たな担当科目が生じ、教育に関する業務に費やす時間が増加し、十分にエフォートを割くことができなかった。そのため本研究は、予定していた研究計画よりも遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き質問紙調査を優先的に行いニーズや現状の把握を行ったうえで、その詳細についてインタビュー調査を実施する。または質問紙調査の際に必要に応じて記述回答を求めるなど効率化を図ることを検討する。質問紙調査は昨年度実施した先行研究レビューにおいてバイオサイコソーシャルモデルを活用して確認した要素をもとに作成し、その後サポートプログラムとして必要な構成要素や実施方法等についても小児がん経験者、医療機関の専門職を対象に調査を実施し、サポートプログラムの開発を目指す。
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