研究課題/領域番号 |
20K13741
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
渡辺 長 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (40742044)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高齢者ケア / 介護負担 / 転倒 / タイの高齢化 / 伝統的ケア / 質的研究 / 東南アジアの高齢化 / コミュニティ / 家族介護者 / タイ東北部 |
研究開始時の研究の概要 |
タイは1980年代に経済的・政治的・文化的な変動が国家的体制が追い付かない状況で急速に発展した「圧縮された近代」を経験し、福祉国家を構築する十分な時間や富の蓄積が得られないまま少子高齢化社会に突入した。そのためタイ政府は家族ケアに対し、補足性の原理の立場を固持しており、一義的ケアの責任は家族介護者が全て担っている。本研究では タイの高齢者ケアを担う家族介護者が抱える介護負担感、及びそれが生成/経験されるプロセスの実態を質的に分析し、日本とタイにおける相互の共通性と特殊性を明らかにすることで、双方に還元可能な支援政策を確立することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、タイの高齢者ケアに焦点をあてケアを起点に広がる地域住民の関係性を概観し、その役割を分析するとともに、介護者が抱える介護負担を質的分析により解明することである。そのため、タイでのフィールドワークを予定していたが、昨年度までコロナ禍の影響により訪問が叶わなかった。2022年度は渡航が緩和されたたため、2度現地訪問をすることができたが、感染対策の観点から直接の在宅訪問には至らなかった。代わりに現地の研究協力者(Jiraporn Chompikul, Mahidol University)らとの協議を行い、2023年度以降の訪問スケジュールや得られたデータの解析手法について話し合う機会を持てた。2022年度の具体的な実績としては以下の論文を一本出版したことである。 【タイ地域高齢者における転倒要因に関する分析, 保健医療学雑誌13(2), P54-61, 2022】 これはタイのノンタブリにあるデイサービスに通う高齢者75名の転倒履歴と転倒に与える要因について分析した論文である。結果として立ち上がり能力、腰・膝の痛み・握力といった機能障害に加えて転倒恐怖感という心理的要因も関連していることを明らかにした。本論文の校正及び分析を主に担当した。 なお、今回の訪問を契機とし、5月20日にタイのマヒドン大学の教員らとオンラインにて学術大会を開催すこととなった。主にタイと日本の理学療法学生や有資格者の参加が見込まれている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一番の阻害要因はコロナ禍の影響によって直接的な在宅訪問が叶わなかったことである。そのため、現状以前に取得したデータを様々な観点から分析することで論文化することを図っている。令和5年度は本研究のデータを得られるよう準備をしていく。
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今後の研究の推進方策 |
これまでタイ東北部の在宅高齢者のケアの在り方とそれを取り巻く地域高齢者や介護者の関連性に焦点をあて、量と質の側面から分析をしてきた。感染状況が収束している為、今後は地域の中で在宅高齢者のケアを担う家族に直接的なインタビューを実施したい。そのためオンラインを駆使して現地の研究協力者との連絡を密にして十分な準備をしていく予定である。
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