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児童福祉施設における生活のケアと心理的支援の明確化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K13746
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分08020:社会福祉学関連
研究機関追手門学院大学

研究代表者

益田 啓裕  追手門学院大学, 心理学部, 准教授 (70846279)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
キーワードソーシャルペダゴジー / ウェルビーイング / 福祉心理学 / 児童福祉施設 / 心理的支援 / 生活のケア / ライフストーリーワーク / 児童虐待 / 社会的養護におけるケア / 社会的養護
研究開始時の研究の概要

本研究では、国内外の社会的養護における生活のケア、心理的支援を概観しつつ、児童福祉施設における生活のケアを行う職員(児童指導員、社会福祉士、保育士等)と心理的支援を行う心理職(臨床心理士、臨床発達心理士、公認心理師等)を対象に、施設における児童のケアニーズおよび心理的支援のニーズにどう対処してきたか、そのプロセスをインタビューによる質的研究によって明らかにする。

研究実績の概要

今年度は、社会的養護における子どもケアを行う際の理論や視点について検討を行い、論文投稿を行った。これまでの調査結果を踏まえ、福祉心理学を学ぶ学生への社会的養護への認識の変化を量的・質的に分析した結果、受講者は、救護・保護的、事後処理的な側面が強いウェルフェアの視点から、権利の主体として自己実現が尊重され、予防的な取り組みが重視されるウェルビーイングの視点へと変化していったことが示された。
加えて、児童福祉施設職員へのケア認識のインタビュー調査も進めた。職員の語りを分析した結果、子どもの生活のケアを行う児童指導員・保育士においては、自らの体験を踏まえた子ども観を元に、子どもと共に過ごし行動することを重視していた。一方で、施設心理士においては、子どもの生活における自らの立ち位置を自覚した上で生活職員と連携し、依って立つ理論や学派の視点を活用しながら子どもに関わることで、子どものウェルビーイングの向上に寄与しようとしていることが示された。
さらに、これからの社会的養護における子どもケアにおける文献と実践を踏まえ、子育ての社会化について考察を行い、シンポジウムで発表した。具体的には、ソーシャルペダゴジーにおいて紹介されている価値と理論の関係を紹介し、対話を通じて自身を振り返ることの重要性を強調した。また、子どもを育てる場所を、家庭か社会的養護かという形態だけでなく、子どもが求める「自分はかけがえがない」という実感を持てるようになるための機能(各養育者の役割や意図を意識した働きかけ)に着目することの必要性を主張した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年から続いた新型コロナウイルスの影響でインタビューの進捗が遅れているため。今後は施設の状況を把握しながら、インタビュー調査を進めていく。

今後の研究の推進方策

インタビュー調査を進めていくことで、引き続き子どもケアに必要な要素を抽出し、それらの要素を子どもと養育者のウェルビーイングを高めるためにどのように活用していくかについて、整理を進めていく。社会的養護における省察的実践(reflective practice)を促進させるワークの開発についても検討を進めていく。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (19件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (11件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] 公認心理師カリキュラム「福祉心理学」受講によるウェルビーイング視点の獲得―社会的養護における児童虐待とその支援の認識の変化に着目して―2024

    • 著者名/発表者名
      益田啓裕
    • 雑誌名

      福祉心理学研究

      巻: 21(1)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 心理職に必要な学びとその教育2022

    • 著者名/発表者名
      吉村 晋平・多田 淑央・益田 啓裕
    • 雑誌名

      心理学の諸領域

      巻: 11 号: 1 ページ: 63-67

    • DOI

      10.60186/hpsj.11.1_63

    • ISSN
      2186-764X, 2758-657X
    • 年月日
      2022-12-01
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 子どもの心の傷つきとケア -児童福祉施設の治療的支援を家庭・地域で活かす-2021

    • 著者名/発表者名
      益田啓裕
    • 雑誌名

      追手門学院大学地域支援心理研究センター紀要

      巻: 17 ページ: 2-12

    • NAID

      120007002814

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 社会的養護において“家庭的”であるとはどういうことか――ソーシャルな子育ての視点――2024

    • 著者名/発表者名
      益田啓裕
    • 学会等名
      甲南大学人間科学研究所シンポジウム「子育ての社会化」と「家庭的」養護の狭間で
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 支援者の価値観について対話する2022

    • 著者名/発表者名
      益田 啓裕
    • 学会等名
      日本ソーシャルペダゴジー学会第8回学術集会分科会1(WEB開催)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 臨床家としての自己の成長過程を考える2022

    • 著者名/発表者名
      永野 浩二・河﨑 俊博・益田 啓裕
    • 学会等名
      日本人間性心理学会第41回大会 自主シンポジウム(WEB開催)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ライフストーリーワークに導くための日常生活の土壌づくり2022

    • 著者名/発表者名
      才村 眞理・新籾 晃子・堀口 祐毅・岩佐 和代・益田 啓裕・池田 かおり・神木 亜美
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第28回学術集会ふくおか大会公募シンポジウム(対面開催)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 「福祉心理学」受講前後の児童虐待とその支援への認識の変化2022

    • 著者名/発表者名
      益田 啓裕
    • 学会等名
      日本福祉心理学会第20回大会(WEB開催:ポスター発表)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 生活場面において理論と実践をどう結びつけるか2022

    • 著者名/発表者名
      益田 啓裕
    • 学会等名
      日本ソーシャルペダゴジー学会第9回学術集会分科会(WEB開催)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ライフストーリーワーク(LSW)の基本に立ち返る:実践から見えてきたこと2021

    • 著者名/発表者名
      才村眞理・河野真寿美・南まどか・新籾晃子・池田かおり・神木亜美・益田啓裕
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第27回学術大会かながわ大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 心理職に必要な学びとその教育:福祉領域の視点から2021

    • 著者名/発表者名
      益田啓裕
    • 学会等名
      北陸心理学会第56回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 「福祉心理学」受講前後の社会的養護のイメージの変化2021

    • 著者名/発表者名
      益田啓裕
    • 学会等名
      日本福祉心理学会第 19回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 社会的養護の子どもたちとのライフストーリーワーク――被虐待の子どもたちへの実施を考える――2020

    • 著者名/発表者名
      才村 眞理・新籾 晃子・南 まどか・堀口 祐毅・池田 かおり・益田 啓裕
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第26回学術集会いしかわ大会公募シンポジウム
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 大舎と小舎の両方を経験した職員へのヒアリング調査2020

    • 著者名/発表者名
      早川 洋・高田 治・益田 啓裕
    • 学会等名
      第61回日本児童青年精神医学会総会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] ソーシャルな子育てとは何か──子どもをめぐる家庭と社会の関係を捉えなおす試み── 川口潤(編) OIDAIライブラリー② 心とは何か2023

    • 著者名/発表者名
      益田啓裕
    • 総ページ数
      15
    • 出版者
      追手門学院大学出版会
    • ISBN
      4907574312
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 実践家のためのソーシャルペダゴジー:子ども・若者と関わる理論・価値観・ツール2022

    • 著者名/発表者名
      ストロー,J.(著) 森 茂起・楢原 真也・益田 啓裕(共訳)
    • 総ページ数
      218
    • 出版者
      誠信書房
    • ISBN
      9784414602128
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 実践的ソーシャルペダゴジー(仮題)2022

    • 著者名/発表者名
      ヤン・ストロー 著 森茂起・益田啓裕・楢原真也 共訳
    • 出版者
      誠信書房
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 日々の知識としてのソーシャルペダゴジー2022

    • 著者名/発表者名
      益田啓裕・楢原真也
    • 総ページ数
      9
    • 出版者
      日本ソーシャルペダゴジー学会第6回学術集会報告書
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] ソーシャルペダゴジー 子どもの入所型施設との関連性2022

    • 著者名/発表者名
      益田啓裕・楢原真也
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      日本ソーシャルペダゴジー学会第6回学術集会報告書
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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