研究課題/領域番号 |
20K13755
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 (2021-2022) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2020) |
研究代表者 |
堀 芽久美 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (20735732)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アクセシビリティ / がん / 地域格差 / 医療圏分析 / 地理情報解析 |
研究開始時の研究の概要 |
医療施設へのアクセスのしやすさは、がんのリスクや、医療費の地域差に影響する。 本研究では、はじめにがん罹患、死亡、生存率、予後に関連する進行がんでの発見割合および医療費の地域差の実態を明らかにする。次に、市区町村別の医療施設へのアクセスのしやすさを、距離、時間、費用を用いて明らかにする。最後に、これらを合わせて、がん罹患、死亡、生存率、進行がんの割合および医療費の地域差と医療施設へのアクセスのしやすさの関連を調査する。本研究はがん患者の地理的特性の理解を通じて、医療資源利用への公平性に関する示唆を与えることができる。
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研究実績の概要 |
市区町村別に医療施設へのアクセシビリティ指標を推計し、地域差を明らかにした。さらに、医療施設へのアクセシビリティとがん罹患・死亡および早期がんの発見割合との関連を推計した。 アクセシビリティ指標は、市区町村の代表点(中心点)から医療施設までの距離、時間、市区町村別人口、市区町村別の医療施設数に基づき、Two-step floating catchment area (2FCA) method を適用して推計した。がん罹患データは全国がん登録、がん死亡データは人口動態統計を利用した。医療施設へのアクセシビリティ指標とがん罹患・死亡および早期がんの発見割合との関連には多変量回帰モデルを用いた。本研究では、関東甲信(9都県)、東海(3県)を対象とした。 対象地域において、医療施設へのアクセシビリティに地域による違いがあることが明らかとなった。都市部でもアクセシビリティが高くない地域が存在していた。これは医療施設までの移動距離や時間ではなく、人口に対する医療施設数という医療の需要と供給のアンバランスが原因であることが示唆された。 医療施設までのアクセシビリティとがん罹患・死亡率について、大きな関連は示されなかった。一方で、早期がんの発見割合には有意な関連が示唆された。 本研究では、医療施設までのアクセシビリティとがん罹患・死亡率および早期がんの発見割合との関連について、ライフスタイル要因の調整が不十分であった。ライフスタイルや社会経済要因を調整することで、さらに詳細な検討が可能である。また、市区町村別のアクセシビリティとがんリスクの関連に基づき、医療費に与える影響も検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までに、距離・移動時間に基づき市区町村別に医療施設までのアクセシビリティを計算した。同様に、移動にかかる費用に基づくアクセシビリティの推計を予定しているが、費用データの入手・整理が遅れたため、現在までに推計が完了していない。
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今後の研究の推進方策 |
移動にかかる費用に基づくアクセシビリティの推計について、推計方法は、距離・移動時間を用いた場合と同様であるため、データの整理後、スムーズに進行させることが可能である。また、今後はアクセシビリティとがんリスクの関連分析において対象とする地域の選択が課題である。より代表的な結果を得ることを目的として、可能な限り対象範囲の拡大を検討する必要がある。
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