研究課題/領域番号 |
20K13771
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 学校法人文京学院 文京学院大学 |
研究代表者 |
安永 雅美 学校法人文京学院 文京学院大学, 保健医療技術学部, 准教授 (70458553)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | フローモデル / 生活の質 / 社会参加 / 家族 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
現在介護予防の取り組みが多く行われている。高齢者が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることを可能にするためには、運動や栄養だけでなく、生活そのものに焦点をあてた支援が必要である。本研究では、①楽しさや充実感を感じる健康的な自分らしい生活作りに役立つフローモデル活動評価・支援システムを、介護保険施設利用者および職員の協力を得て構築する。②地域で生活している高齢者に試用を依頼し、システムを改良する。この研究を通じて、高齢者自身が日々の活動を振り返り、生活をマネージメントして健康的な生活を送るためのツールを作成する。
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研究実績の概要 |
我々は、高齢者の健康的な楽しい生活と社会参加を促す支援ツールとしてフローモデルを活用できると考えた。フローモデルでは、挑戦感と技術という観点から生活の中の活動中の感情状態をとらえ、本人にとってよりよい経験ができる活動となるように調整することができる。 本研究では、フローモデルに基づく高齢者の生活支援の効果を検証し、介護予防対象者や健常高齢者が自らの生活を健康的に組み立てるためのフローモデルに基づく評価・支援システムについて検討する予定であった。しかし健康に不安のある高齢者が集う介護保険関連施設では、感染対策の為、研究・調査のための立ち入りが困難で、研究に協力いただくことが難しかった。 そこで、活動を調整する際に重要な人的環境である家族に着目した。ある高齢者が家族分の洗濯を担っていてストレスを感じている場合、他の家族に分担してもらって洗濯量を減らすといった家族の協力が不可欠である。家族の最小単位である夫婦関係に着目すると、妻は夫よりも夫婦関係満足度や家事分担満足度が低いという報告がある。将来、夫婦は介護等で協力して生活をしていくことが想定される。生活の中で行われる様々な活動についてお互いがどう感じているか推測できれば生活もしやすいだろうし、困難ならば、お互いに相手の気持ちをよく聞くことが必要と考えられる。 フローモデルを用いて活動中の感情状態を調べた研究では、介護保険関連施設(デイケア)の職員が利用者の活動中の感情状態を正しく推測できたのは生活中の活動の24%、訪問リハビリテーション担当者が利用者のフローモデル感情状態を推測した場合は45.9%であった。しかし、夫婦間の推測についての報告はなく、調査を計画した。この情報は今後の円満で豊かな生活つまり生活満足度の向上に役立つと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
フローモデルを用いた支援効果を確認するため介護保険関連施設での多数例を対象とした実証研究、長期的効果を明確にするためのフォローアップ調査研究を行う予定であったが、コロナ感染対策により介護保険関連施設への部外者の立ち入りが難しく研究を進めることはできなかった。数件の施設に打診したが、感染状況の見通しが立たないことから本年度は研究協力への承諾は得られなかった。そこで、フローモデルを用いた支援に役立つ情報を家族関係に着目して収集する研究を計画した。また、文献研究にて作業療法士が家族支援を行う重要性について知見を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
現在も介護保険関連施設では入居者への家族面会や不要不急の来所を禁じているところが多い。今後はフローモデルを応用した支援を行う上で必要な人的環境に着目した調査研究を行う。
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