研究課題/領域番号 |
20K13779
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 跡見学園女子大学 (2022) 日本女子大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
福島 里美 跡見学園女子大学, 心理学部, 講師 (70532729)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 基本的信頼感 / 里親支援 / 里親子の関係作り / 支援者研修 / 里親養育 / 食生活 / 実親交流 / 食習慣の違い / 試しではない行動 / 試し行動 / 愛着形成 / 里親 / 実親 / 養育スキル |
研究開始時の研究の概要 |
子どもが、自分は大切な存在であると実感できる環境を提供することは、里親制度の重要な役目である。本研究は、子どもの基本的信頼感を育てる里親の養育スキルを明らかにするため、①食事を通した里親子の関係形成、②子どもの実親に対する思いをどう支えるか の2点に焦点を当て、養育場面における具体的な行動を明らかにする。 従来の里親支援や研究が、知識やスキルが足りない非専門家として里親を位置づけ、支援や指導を行ってきたのに対し、本研究は里親を経験豊富な実践家と位置づけ、里親の経験や行動から養育スキルを掘り起こし、それを里親と共有し、今後の里親養育につなぐことを目指すコミュニティ・アプローチである。
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研究実績の概要 |
基本的信頼感の形成について、親子の身体接触を通じた交流がもたらす効果が指摘されている。そこで2022年度は、親子間の機能的なタッチ(ファンクショナルタッチ)を研究し、子育て支援実践する日本ファンクショナルタッチペアレンティング協会の活動に参加し、研究発表や協会の運営に参加した。 協会理事長の麻生典子氏と、互いの研究成果や支援策について情報共有・情報交換を行い、これまで日本ファンクショナルタッチペアレンティング協会が行ってきた、地域の子育て支援を、児童福祉領域における大人と子どもの愛着形成に役立てる方法を検討した。麻生氏と共同で行った里親や児童養護施設職員への面接調査結果をもとに、通常の親子と異なる里親子の関係形成について年代別に検討し、社会的養護の支援者向けの研究会や研修を通じて広く発信した。
2022年8月には、東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センターのシンポジウム「虐待と向き合う児童相談所の新たな役割と可能性―地域における安心の子育て支援の基盤整備に向けて―」に登壇し、当事者のニーズに即した研究について成果を発表した。同年9月には児童相談所の職員研修で講師をつとめ、研究成果をもとに里親子関係の関係形成のプロセスと、里親子関係を支える支援者の役割について講演を行った。 2023年2月には、日本精神衛生学会の研修では、麻生典子氏とともに2月にオンライン研修を1回、対面でのワークショップを1回開催した。オンライン研修では、「里親子の心の交流-里親子の関係作りの研究から-」をテーマに、年代別の里親子関係形成について、食生活や就寝といった日常生活を通した里親子の愛着形成プロセスを心理学の視点から解説した。ワークショップでは、保育士や心理職といった支援者を対象に、赤ちゃん人形を使った子育て研修の実践をロールプレイ等を用いて行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの研究成果を支援者研修に役立てようとするニーズが高まり、様々な方面から研修依頼が続いたことから、2022年度は支援者研修の準備に追われた1年であった。支援者養成に役立てる動きは、当初の予定以上に活発であったが、論文や書籍の執筆が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、面接調査の分析を発表にし、研究成果を還元する。2023年度も支援者研修の依頼が続いていることから、研修を通じて、研究に対する当事者の意見に耳を傾け、当事者のニーズに即した研究成果の還元の仕方を引き続き検討する。
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