研究課題/領域番号 |
20K13821
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
義村 さや香 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80751776)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / ADHD / 生活習慣 / 認知機能 / 精神疾患 / 青年期 / 成人期 / 認知処理スタイル / メンタルヘルス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,青年期以降の発達症において,症状の基盤となる認知処理スタイルのどのような特徴が生活習慣や合併精神障害へ影響するのかを明らかにすることである.具体的には,青年期以降の発達症患者を対象に① 質問紙や客観的評価方法を用いて生活習慣や合併精神障害の有無を評価し,②認知課題バッテリーを施行して発達症の認知処理スタイルを評価し,③生活習慣や合併精神障害と関連する認知処理スタイル,および合併精神障害と関連する生活習慣について明らかにする.本研究の結果は,有症率が高く,長期化する精神障害の背景にあるとされる発達症への介入を考える際の一助となり,国民的健康課題の改善につながる可能性がある.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、生活習慣やメンタルヘルスの問題が生じやすい青年期以降の自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder: 以下ASD)および注意欠如多動性障害(attention deficit/ hyperactivity disorder: 以下ADHD)を対象として認知課題バッテリーを施行し、症状の基盤となる認知処理スタイルのどのような特徴が、生活習慣や合併精神障害へ影響するかを明らかにすることである。 7.に示すようにデータ取得が遅れている状況ではあるが、2022年度は、31名の発達症のある/定型発達の成人に対してデータ取得を行った。データ取得予定数にはまだ足りず、データ増加に伴い解析結果が多少変わる可能性はあるが、中間解析では、成人ADHD群において、児童期ADHDに関する先行研究でこれまで報告されてきた「時間を短く感じる」傾向が認められ、さらに、この傾向と強迫的なインターネット使用との間に負の相関が見られた。また、成人ADHD群では、負の感情により喚起される摂食傾向、インターネット使用によって生じる負の影響が強かった。成人ASD群では、細部焦点型の注意傾向が認められ、さらに、この傾向は不注意症状、怒りや敵意の少なさと正の相関を示した。上記結果について、より結果の頑強な成人ADHD群での結果に基づいて、まず、成人期ADHDと時間知覚、生活習慣との関連についての論文を執筆する予定である。 また、本研究で使用しており、また諸外国の研究でしばしば用いられているインターネット依存に関する質問紙(Generalized problematic internet use scale 2)の日本語版の妥当性・信頼性を検証した。その成果は英文雑誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行により、本研究者の所属機関では、長時間の対人接触を伴う研究活動が制限されている期間が令和2年から同4年まで断続的にあった。また、発達症群でのリクルートを行ったが、本研究課題の認知課題バッテリー施行は長時間を要し、実験施行者と研究参加者の接触時間が長いため、発達症のある研究参加者には感染不安から参加をためらう者方も存在するなど、認知課題バッテリーが実施しにくい状況も度々見られた。これらの理由によりデータ取得が遅れ、補助期間を1年延長することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の進捗の遅れは、新型コロナウイルス感染症の流行が続いたことによる、過去2年間のデータ取得機会の減少が原因である。新型コロナウイルス感染症の流行が収束に向かいつつあり、2022年度後半は順調にデータを取得できたため、2023年度も同様のペースでデータ取得が進むものと考えられるが、SNSによる広報、人材派遣会社を利用したリクルートなど、研究呼びかけの方法を増強することも検討している。
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